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[SCG62-P08] rDACを用いたデイブマオアイトの大歪変形実験と下部マントル物質の相対強度に関する予察的結果

下部マントルの対流様式や観測されている地震波異方性を考察する上で、その構成鉱物のレオロジー特性を明らかにすることが鍵となる。下部マントルの主要な鉱物はブリッジマナイト((Mg,Fe)SiO3)、フェロペリクレース((Mg,Fe)O)、デイブマオアイト(CaSiO3)である。ブリッジマナイトやフェロペリクレースの強度については、近年の先行研究により理解が進みつつある一方で(Girard et al., 2016; Tsujino et al., 2022)、デイブマオアイトについては、体積比が小さいことに加え、常圧回収が不可能なこともあり、他二つの鉱物と比較し理解が進んでいないのが現状である(Immoor et al., 2022)。そこで本研究では回転式ダイヤモンドアンビルセル(rDAC)とSPring-8の放射光X線を組み合わせることで、デイブマオアイトの超高圧ねじり変形実験を行った。本発表では得られたデイブマオアイトの力学データとペリクレースの強度(Ishimori et al., under review)を対照することで、相対強度についての予察的結果を報告する。
本研究はSPring-8(BL47XU)の高輝度X線とrDACによる変形実験を組み合わせて行われた。デイブマオアイトは、Wollastoniteを出発物質とし、rDAC内で加圧したのち、ビームライン上で近赤外線加熱(Azuma et al., 2024)とレーザー加熱によって試料を昇温することで合成した。その後rDACの上部アンビルを回転させることで試料にねじり変形を与えた(35 GPa, 893 K)。変形実験中は、その場X線回折(XRD)測定を行い、デバイ・シェラー環(デバイリング)を取得した。得られたデバイリングからは方位角ごとのデイブマオアイトの面間隔(d値)を求めることで差応力を求めた(Park et al., 2022)。この応力解析にはデイブマオアイトの{110}面を用いた。
XRDの一次元パターンから、昇圧時は出発物質のアモルファス化が進み、その後の昇温によってデイブマオアイトの合成が確認された。解析したデイブマオアイトの{110}面の変形実験中の応力データからは、弾性変形から塑性変形に遷移し、定常状態に移行したことが推察された。得られた実験結果をペリクレースの応力データと比較すると、デイブマオアイトの強度はペリクレースより高いことが示唆された。更なる詳細な実験と考察が必要と考えるが、この結果は先行研究で報告されているペリクレースの強度の方が高いという結果と相反するものである(Immoor et al., 2022)。
本研究はSPring-8(BL47XU)の高輝度X線とrDACによる変形実験を組み合わせて行われた。デイブマオアイトは、Wollastoniteを出発物質とし、rDAC内で加圧したのち、ビームライン上で近赤外線加熱(Azuma et al., 2024)とレーザー加熱によって試料を昇温することで合成した。その後rDACの上部アンビルを回転させることで試料にねじり変形を与えた(35 GPa, 893 K)。変形実験中は、その場X線回折(XRD)測定を行い、デバイ・シェラー環(デバイリング)を取得した。得られたデバイリングからは方位角ごとのデイブマオアイトの面間隔(d値)を求めることで差応力を求めた(Park et al., 2022)。この応力解析にはデイブマオアイトの{110}面を用いた。
XRDの一次元パターンから、昇圧時は出発物質のアモルファス化が進み、その後の昇温によってデイブマオアイトの合成が確認された。解析したデイブマオアイトの{110}面の変形実験中の応力データからは、弾性変形から塑性変形に遷移し、定常状態に移行したことが推察された。得られた実験結果をペリクレースの応力データと比較すると、デイブマオアイトの強度はペリクレースより高いことが示唆された。更なる詳細な実験と考察が必要と考えるが、この結果は先行研究で報告されているペリクレースの強度の方が高いという結果と相反するものである(Immoor et al., 2022)。