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[SCG62-P10] 乾燥・付着性粉体への貫⼊抵抗⼒に対する物体の形状・摩擦係数の影響
キーワード:付着性粉体、離散要素法、貫入抵抗力
砂やレゴリスといった粉体層に覆われた固体天体表面上では, 探査ローバーによる走行や探査機の着陸, 重機による掘削といった様々な活動が行われる。これらの素過程は物体が粉体層を“押す”あるいは“貫入する”ことで生じていることから, 機械の挙動を正確に予測するためには粉体層への貫入抵抗力の解明が重要である。これまでの研究では, 粉体が作る砂山の傾斜角(安息角)を使用して貫入抵抗力を予測するモデルが提案されている[1]。このモデルの課題としては, 含水土のような付着性粉体には適用できない点, シンプルな物体形状を対象としているため円錐のような物体の頂角が抵抗力に与える影響を十分に検討していない点が挙げられる。そこで本研究では, 頂角が抵抗力に与える影響を調べる[2]とともに,付着性粉体に対応できるようモデルの拡張を提案してきた[3]。一方で, 提案モデルに対する物体の断面形状や物体表面の摩擦特性の影響は検討していなかった。そのため, 本研究ではこれらの影響について調べた。
本研究では, 離散要素法(DEM)を用いたシミュレーションにより, 多数の平均直径 2 mmの粒子を積層した粉体層に物体を一定速度(50 mm/s)貫入させた際の抵抗力を調べた。パラメータとしては, 物体形状(円錐・四角錐・三角柱)と物体と粒子間の摩擦係数(0.0, 0.1, 0.3, 0.5, 0.7)を変化させた。さらに、[3]と同様に安息角(17.3 deg, 25.0 deg, 35.6 deg, 38.6 deg), 物体の頂角, 粒子間の付着応力も変化させている。シミュレーションで計算した貫入抵抗力は[3]で提案したモデル式からの予測値と比較した。その結果、これまでに提案したモデルでは、物体形状の影響は説明できるものの、幅広い安息角や粒子間の付着応力や物体と粒子間の摩擦係数には対応できないことが明らかになった。さらに、物体貫入時の粉体層内の破壊挙動を調べると、安息角によって破壊様式が異なることが分かった。そこで、破壊様式に合わせて安息角と粒子間付着応力に関係するモデルパラメータの修正を加える。また、物体と粒子間の摩擦係数の影響については、地盤工学で経験的に使用されているモデル式[4]を導入する。これらの修正をおこなうことで、提案モデルは様々な粉体特性・物体形状における貫入抵抗力を予測できることを示す。
[1] W. Kang et al., Nat. Commun. 9: 1101 (2018).
[2] N. Iikawa and H. Katsuragi, Proceedings of the 21st International and 12th Asia-Pacific Regional Conference of the ISTVS, 4927 (2024). https://doi.org/10.56884/N04X6LSL
[3] N. Iikawa and H. Katsuragi, Acta Geotech. 1-17 (2024). https://doi.org/10.1007/s11440-024-02456-z
[4] B. Xi et al, Granul. Matter 25(4), 1–15 (2023).
本研究では, 離散要素法(DEM)を用いたシミュレーションにより, 多数の平均直径 2 mmの粒子を積層した粉体層に物体を一定速度(50 mm/s)貫入させた際の抵抗力を調べた。パラメータとしては, 物体形状(円錐・四角錐・三角柱)と物体と粒子間の摩擦係数(0.0, 0.1, 0.3, 0.5, 0.7)を変化させた。さらに、[3]と同様に安息角(17.3 deg, 25.0 deg, 35.6 deg, 38.6 deg), 物体の頂角, 粒子間の付着応力も変化させている。シミュレーションで計算した貫入抵抗力は[3]で提案したモデル式からの予測値と比較した。その結果、これまでに提案したモデルでは、物体形状の影響は説明できるものの、幅広い安息角や粒子間の付着応力や物体と粒子間の摩擦係数には対応できないことが明らかになった。さらに、物体貫入時の粉体層内の破壊挙動を調べると、安息角によって破壊様式が異なることが分かった。そこで、破壊様式に合わせて安息角と粒子間付着応力に関係するモデルパラメータの修正を加える。また、物体と粒子間の摩擦係数の影響については、地盤工学で経験的に使用されているモデル式[4]を導入する。これらの修正をおこなうことで、提案モデルは様々な粉体特性・物体形状における貫入抵抗力を予測できることを示す。
[1] W. Kang et al., Nat. Commun. 9: 1101 (2018).
[2] N. Iikawa and H. Katsuragi, Proceedings of the 21st International and 12th Asia-Pacific Regional Conference of the ISTVS, 4927 (2024). https://doi.org/10.56884/N04X6LSL
[3] N. Iikawa and H. Katsuragi, Acta Geotech. 1-17 (2024). https://doi.org/10.1007/s11440-024-02456-z
[4] B. Xi et al, Granul. Matter 25(4), 1–15 (2023).