12:00 〜 12:15
[SCG63-06] 即時的な地殻活動情報やハザード情報を用いた地域防災強靭化
キーワード:南海トラフ地震津波、地殻活動、ハザード、災害情報リテラシー
南海トラフ巨大地震防災研究プロジェクトが2025年3月で終了した。その一環として、南海トラフ巨大地震・津波の情報発信による災害イメージの確立に関する研究を実施した。主な活動は、強震動・津波を用いた現実的なハザードの再評価、最先端の技術・科学を活用した地域ごとの防災の共有に向けた情報発信検討会の開催、災害に対するリテラシーの向上の3つである。ここでは、これらの研究内容と、その成果の地方への貢献について紹介する。
ハザードの再評価として、河川堤防の変形は課題の一つである。南海トラフ地震を考慮すれば、評価に用いる強震波形は、継続時間が長く、周波数が低いものが望ましい。また、基盤岩までの2次元的な不均質地盤構造も考慮する必要がある。大きい河川の河口が集中する地域では、現在のハザードよりも堤防の沈下リスクが大きい場合があることを示してきた。二つ目は、津波瓦礫である。津波瓦礫は浸水域の上限付近に堆積しやすく、津波火災をもたらす可能性がある。ここでは、瓦礫の堆積(今井他、2022)と漂流の例(小園他、2016)を紹介する。これらの津波瓦礫の予測画像は、被害レベルを推定する上で重要である。このようなシミュレーション技術を使えば、各自治体は、南海トラフ地震や津波による具体的な被害を事前に把握することができるだけでなく、防災政策の優先順位の検討にも使用できる。これらの結果は、インフラの健全性や現場へのアクセスの困難性の把握にも有効である。三つ目は、地震・津波のリアルタイムデータを利用したリアルタイム津波予測システム(高橋他、2017)による避難指示訓練である。危機管理部局や消防といったユーザーに対して、津波予測を用いて、より安全な救出活動や防災行動に繋げる訓練を坂出市や和歌山県由良町で実施した。このような訓練を通して、それぞれの地域に特徴的な災害に対応できるようにカスタマイズする必要がある。
このような防災の地域性は、同じような地域性を持つ自治体間で共有されるべきものである。私たちは、ハザードの再評価、地震・津波・気象災害などの複合災害、災害後の事業継続計画、将来の地域サポーターの人材育成という4つのテーマで、年2回の会議を開催してきた。会議を通じて、地震・津波発生シナリオの多様化、複合災害を考慮した防災対策の最適化、緊密なコミュニティの構築、個別の避難・復興事前準備、防災教育など、被災イメージの構築を通して災害を乗り越えるための共通事項が得られた。リスクを正しく認識するためには、現在の地殻変動や地域ごとの防災脆弱性の把握が不可欠である。本研究では、南海トラフ沿い全域を対象とした地殻活動とハザード情報の共有システムを構築した。地震活動とスロースリップの時空間分布が可視化され、ハザードマップや断層情報と比較することもできる。また、地震活動と地殻構造を比較する機能も有しており、プレート境界での活動をモニタリングできる。
また、これらの情報を自らのリスクと判断し、行動に移すことができるよう、アンケート調査で測定しながら防災リテラシーの向上を図った。4年前から香川県、高知県、宮崎県の小学校高学年と中学校生を対象に防災教室を開催している。授業を通じて、地震や津波などの自然現象、自然災害のメカニズム、強震動や津波のリスクなどの理解向上への効果が確認されている。授業を継続することで理解がより深まり、適切な避難や被災者支援に対する行動に有益であることも確認できた。「地震・津波時の現象の認知」が及ぼす影響は,「小学生」「中学生」それぞれの知識の定着を促すことに加えて、中学生では自らで避難について考える力の醸成にもつながることが示唆されるなど、小学生と中学生の間には授業による反応には違いが認められた。このように、世代に応じた授業の介入が必要であることも確認できた。知識だけではなく、最適な行動に繋がる効果的な教育手法の開発が課題である。
ハザードの再評価として、河川堤防の変形は課題の一つである。南海トラフ地震を考慮すれば、評価に用いる強震波形は、継続時間が長く、周波数が低いものが望ましい。また、基盤岩までの2次元的な不均質地盤構造も考慮する必要がある。大きい河川の河口が集中する地域では、現在のハザードよりも堤防の沈下リスクが大きい場合があることを示してきた。二つ目は、津波瓦礫である。津波瓦礫は浸水域の上限付近に堆積しやすく、津波火災をもたらす可能性がある。ここでは、瓦礫の堆積(今井他、2022)と漂流の例(小園他、2016)を紹介する。これらの津波瓦礫の予測画像は、被害レベルを推定する上で重要である。このようなシミュレーション技術を使えば、各自治体は、南海トラフ地震や津波による具体的な被害を事前に把握することができるだけでなく、防災政策の優先順位の検討にも使用できる。これらの結果は、インフラの健全性や現場へのアクセスの困難性の把握にも有効である。三つ目は、地震・津波のリアルタイムデータを利用したリアルタイム津波予測システム(高橋他、2017)による避難指示訓練である。危機管理部局や消防といったユーザーに対して、津波予測を用いて、より安全な救出活動や防災行動に繋げる訓練を坂出市や和歌山県由良町で実施した。このような訓練を通して、それぞれの地域に特徴的な災害に対応できるようにカスタマイズする必要がある。
このような防災の地域性は、同じような地域性を持つ自治体間で共有されるべきものである。私たちは、ハザードの再評価、地震・津波・気象災害などの複合災害、災害後の事業継続計画、将来の地域サポーターの人材育成という4つのテーマで、年2回の会議を開催してきた。会議を通じて、地震・津波発生シナリオの多様化、複合災害を考慮した防災対策の最適化、緊密なコミュニティの構築、個別の避難・復興事前準備、防災教育など、被災イメージの構築を通して災害を乗り越えるための共通事項が得られた。リスクを正しく認識するためには、現在の地殻変動や地域ごとの防災脆弱性の把握が不可欠である。本研究では、南海トラフ沿い全域を対象とした地殻活動とハザード情報の共有システムを構築した。地震活動とスロースリップの時空間分布が可視化され、ハザードマップや断層情報と比較することもできる。また、地震活動と地殻構造を比較する機能も有しており、プレート境界での活動をモニタリングできる。
また、これらの情報を自らのリスクと判断し、行動に移すことができるよう、アンケート調査で測定しながら防災リテラシーの向上を図った。4年前から香川県、高知県、宮崎県の小学校高学年と中学校生を対象に防災教室を開催している。授業を通じて、地震や津波などの自然現象、自然災害のメカニズム、強震動や津波のリスクなどの理解向上への効果が確認されている。授業を継続することで理解がより深まり、適切な避難や被災者支援に対する行動に有益であることも確認できた。「地震・津波時の現象の認知」が及ぼす影響は,「小学生」「中学生」それぞれの知識の定着を促すことに加えて、中学生では自らで避難について考える力の醸成にもつながることが示唆されるなど、小学生と中学生の間には授業による反応には違いが認められた。このように、世代に応じた授業の介入が必要であることも確認できた。知識だけではなく、最適な行動に繋がる効果的な教育手法の開発が課題である。