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[SEM16-01] 古地磁気データ解析における地球ダイナモシミュレーションの役割:地磁気極逆転に関する予備実験
キーワード:地球ダイナモ、磁気レイノルズ数、古地磁気解析、磁極逆転
古地磁気データ解析によって明らかにされている磁場変動と地球中心核のダイナミクスの関連性の直接的な関係を抽出するための有用な手段として地球ダイナモシミュレーションが挙げられる.Glatzmaier et al. (1999)やOlson et al. (2015)では、地磁気極逆転に着目し、古地磁気解析データとの比較を行い、特に核―マントル境界における不均質の存在が磁極移動とそのパスに大きな影響を与えていることを示した.しかし、解析データと中心核ダイナミクスの関連性の詳細を議論するためには、地球中心核の物性状態を完全に再現したシミュレーションモデルが必要であるが、現在の計算機能力ではそのようなモデリング研究を行うことは困難である.そこで、Nakagawa and Davies (2022)ではAubert et al. (2017)によって提案された地磁気データ解析による磁気レイノルズ数の拘束条件(約1000)を満たすように地球中心核条件に向かうパラメータセットの選択理論(Path theory)を拡張し、古地磁気データ解析で用いられる長時間スケールの事象の適用可能性を提示した.また、Nakagawa and Davies (2022)では、地球中心核のダイナミクスにおいて期待される力学バランス状態を変えることなく磁気極の逆転現象の実現に成功している.しかし、Glatzmaier et al. (1999)やOlson et al. (2015)のような古地磁気データ解析結果への適用は行なっていない.そこで、本研究では、磁気レイノルズ数の拘束条件を満たす地球ダイナモシミュレーションモデルを用いた地磁気極の逆転古地磁気データ解析への直接的な適用可能性を探るための予備実験を行う.この予備実験において、磁気極移動解析における地心双極子近似の妥当性のチェックを行う.
地球ダイナモシミュレーションについては、Nakagawa and Davies (2022)におけるLEDT039(磁気レイノルズ数=1046)を主に用いる.このケースは熱・組成対流が駆動限であり、組成対流の割合は86%である.また、最下部マントルにおける地震波速度不均質をAubert et al.(2013)に基づいて、CMB上での断熱熱流量を13TWとして熱・組成フラックスとして変換し、核―マントル境界の境界条件に用いている.その結果として、力学バランスとしては、準地衡系における磁場―浮力―コリオリ力のバランスで説明でき、磁場変動の特徴としては磁極逆転現象が再現されている.前述の通りに、磁極逆転次には系の力学バランスは変わらないが、磁極逆転時に慣性力の効果が大きくなる.古地磁気解析のワークフローを用いるために、シミュレーションによって得られたCMB上の磁場を展開次数32次までのガウス係数に変換する.
ダイナモシミュレーションを用いて、GAD近似の妥当性を調べるため、磁極変動とその変動速度について地磁気双極子に関係するガウス係数だけを用いたGAD近似の場合と全ての次数のガウス係数を用いる場合を比較する.解析手法は、シミュレーションによるガウス係数から地磁気3成分(伏角、偏角、全磁力)を求め、そこから平均仮想地磁気極に変換する.また、磁極の変動の速さなど解析値と比較できる診断量についても同時に求める.その結果、GAD近似と全ての次数のガウス係数を用いた場合について、磁極移動経路ならびに移動の速さを比較した結果、GAD近似で磁極逆転の解析が十分に行えることを確認した.また、移動経路についてはCMB上の不均質構造が影響していることを再確認した.古地磁気データベースによる磁極逆転の時系列データと比較することで、ダイナモシミュレーションにおいて、磁気レイノルズ数の拘束条件を用いる有用性について議論を行う.
地球ダイナモシミュレーションについては、Nakagawa and Davies (2022)におけるLEDT039(磁気レイノルズ数=1046)を主に用いる.このケースは熱・組成対流が駆動限であり、組成対流の割合は86%である.また、最下部マントルにおける地震波速度不均質をAubert et al.(2013)に基づいて、CMB上での断熱熱流量を13TWとして熱・組成フラックスとして変換し、核―マントル境界の境界条件に用いている.その結果として、力学バランスとしては、準地衡系における磁場―浮力―コリオリ力のバランスで説明でき、磁場変動の特徴としては磁極逆転現象が再現されている.前述の通りに、磁極逆転次には系の力学バランスは変わらないが、磁極逆転時に慣性力の効果が大きくなる.古地磁気解析のワークフローを用いるために、シミュレーションによって得られたCMB上の磁場を展開次数32次までのガウス係数に変換する.
ダイナモシミュレーションを用いて、GAD近似の妥当性を調べるため、磁極変動とその変動速度について地磁気双極子に関係するガウス係数だけを用いたGAD近似の場合と全ての次数のガウス係数を用いる場合を比較する.解析手法は、シミュレーションによるガウス係数から地磁気3成分(伏角、偏角、全磁力)を求め、そこから平均仮想地磁気極に変換する.また、磁極の変動の速さなど解析値と比較できる診断量についても同時に求める.その結果、GAD近似と全ての次数のガウス係数を用いた場合について、磁極移動経路ならびに移動の速さを比較した結果、GAD近似で磁極逆転の解析が十分に行えることを確認した.また、移動経路についてはCMB上の不均質構造が影響していることを再確認した.古地磁気データベースによる磁極逆転の時系列データと比較することで、ダイナモシミュレーションにおいて、磁気レイノルズ数の拘束条件を用いる有用性について議論を行う.