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[SEM16-04] 阿寺断層における帯磁率異常とその要因
キーワード:帯磁率、活断層、X線回折
活断層や断層破砕帯では、周囲よりも高い帯磁率を示すことがあると報告されている(吉村・大野, 2012)。このような帯磁率異常は、断層摩擦運動によって生成した磁性鉱物によって起こり、獲得した帯磁率はすべり面に加えられた摩擦エネルギーに比例することが、谷川ほか(2007)の台湾Chelungp断層の試料を用いた室内実験によって示されている。しかし既存の研究では、断層トレース上の地表面などで数m間隔での帯磁率測定が行われているのみである。また、活断層の掘削試料については、高帯磁率域の掘削孔周辺の広がりは不明のままである。そこで本研究では、国内で最大規模の活断層である阿寺断層(岐阜県)の露頭にて複数の測定を高密度で行った。約10cm間隔で帯磁率測定と試料採取を行い、表層から採取した岩石試料はX線回折(XRD)によって鉱物同定・定量分析を行った。その結果、断層コアにおいて黒色ガウジ層に高い帯磁率が見られ、磁性鉱物の増加も見られた。このうち、すべり面ではないと考えられる黒色ガウジ層にて、最も高い帯磁率が記録された。これらの結果から、活断層上の高帯磁率の要因として、断層摩擦以外に地下深部から流入した高温流体による熱水変質の可能性があることが分かった。