日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-EM 固体地球電磁気学

[S-EM16] 地磁気・古地磁気・岩石磁気・環境磁気

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:川村 紀子(海上保安大学校 基礎教育講座)、加藤 千恵(九州大学比較社会文化研究院)

17:15 〜 19:15

[SEM16-P06] アイスランド東部の連続溶岩層序群から高逆転頻度期の古地磁気方位変動を解明する―Seyðisfjörður地域溶岩群からの新報告

*惟村 悠斗1山本 裕二1星 博幸2加藤 千恵3、クメック ヨビータ4、トンティフィリピ―二 ジャスティン5、ピイスパ エリーサ4 (1.高知大学、2.愛知教育大学、3.九州大学、4.アイスランド大学、5.オスロ大学)


地球磁場の極性は,正極性と逆極性との反転を様々な時間間隔で頻繁に繰り返してきており、その逆転史は過去1億6000万年前頃まで明らかになっている(e.g. Ogg, 2020).一方で,地磁気強度の変動史や,同一極性期間中の地磁気方位の変動幅については未解明な部分が多い.そこで,逆転頻度の時間変遷に着目して、地磁気強度変動史や地磁気方位の変動幅を解明することは,地球ダイナモの本質的な性質を深く理解するために重要である.
時間とともに変化している逆転頻度は,白亜紀以降では11 Ma頃が最も高く,4.7 回/百万年である(以下,高逆転頻度期).この期間を含む古地磁気方位変動については,アイスランド島東部の連続溶岩層序群から報告されており(Kristjansson et al., 1995),Mjoifjördur地域には中間極性を記録した溶岩が頻出するセクションが存在する.我々は,そのセクションに近接する2箇所のセクション(EP,EO)を選定し,時間的前後関係が明確な計66枚の溶岩群から試料を系統的に定方位採取して各種分析を行った.これまでに,各溶岩5試料の段階交流消磁分析を完了させて古地磁気方位変動の様子を明らかにした.その結果,VGP緯度の変動から当時の地球ダイナモが比較的極性安定度が低い性質を帯びていた可能性が示唆された(惟村ほか,2024JpGU).また,岩石磁気分析を行った結果,これらの試料に記録された古地磁気方位は岩石磁気特性に依存しないことを確認した(惟村ほか,2024SGEPSS).
今回は,これら2箇所のセクション(EP,EO)のさらに上位の溶岩層序群から古地磁気方位変動を解明するために,同じ半島内でMjoifjördur地域の北側に位置するSeyðisfjörður地域から新たに2箇所のセクション(ET, ES)を選定し,計72枚の溶岩から試料を系統的に定方位採取した.アイスランド自然史博物館発行の地質図より,ESセクションはEPセクション上部に対比できる溶岩層であると考えられる.現在,古地磁気方位変動の解明に向けて測定を進めており,これまでの結果と合わせて,ET→ES→EP→EOの計4セクションの古地磁気方位変動について報告し,高逆転頻度期の古地磁気方位変動をより長い時間スケールで考察する.