17:15 〜 19:15
[SEM16-P11] モンゴル西部Zavkhanテレーンに分布する3-8億年前の火成岩および深成岩の古地磁気強度
キーワード:古地磁気強度、モンゴル、綱川―ショー法
本研究は、3-8億年前の火成岩・深成岩試料の残留磁化を多角的に評価し、地球内核形成時期の推定に役立てる基礎研究を行うことを目的とする。最近の古地球磁場研究(例えばZhou et al., 2024)では4-5.7億年前に地磁気強度の極小値とその後の磁場強度急増が報告されており、これは地球内核が形成されたことに起因するとされている。これら研究で推定される地球内核形成時期は3回目の全球凍結(スノーボールアース; 約6億年前)やエディアカラ動物群(5.3-5.7億年前の多細胞軟体性動物)の絶滅からカンブリア爆発(生物の爆発的な多様化)への移行など地球史の重要イベントが発生した時期と一致している。これらのイベントが地球内核形成と密接に関わるのかどうかは未だ不明であるが、地球磁場強度の極小値とその前後の磁場強度の時間変化を正確に知ることは、地球史、特に地球環境史にとって極めて重要である。地球内核形成時期を地球磁場研究から推定するためには、その地球磁場記録の信頼性を評価することが重要である。本研究では、モンゴルZavkhanテレーンに分布する3-8億年前の火成岩および深成岩から、残留磁化を抽出し、磁化獲得機構を理解する。さらに、古地磁気強度推定を行い、3-8億年前の地球磁場強度について検討する。
試料は約770MaのGranite(Bold et al., 2016)および、約446MaのRhyolite(Kilian et al.,2016)を用いた。これらのパイロット試料に対して岩石磁気・古地磁気方位測定および古地磁気強度測定を行った。また、産業技術総合研究所のSQUID顕微鏡での磁気マッピングを行い,古地磁気強度データ抽出のための磁気特性の確認を行なった.
SQUID顕微鏡での磁気マッピングの結果およびヒステリシス測定の結果から、770Maのgraniteには多くの多磁区粒子(mulch domain: MD)が含まれていることが明らかとなっており、磁性鉱物のサイズや磁区は不均質である。一方で、446MaのRhyoliteは比較的均質で、単磁区粒子(single domain: SD)から擬単磁区粒子(pseudo single domain: PSD)で構成されている。また、段階交流消磁および段階熱消磁の結果、graniteは少なくとも3つの成分が確認できるのに対し、Rhyoliteは2成分を記録していることがわかっている。
古地磁気強度測定はパイロット試料に対して、IZZI-Thellier法と綱川―Shaw法を適用した。その結果、granite(770Ma)では、IZZI-Thellier法でおよそ3.3μT、綱川―Shaw法では3.0μTと調和的な値が得られた。また、Rhyolite(446Ma)では、IZZI-Thellier法でおよそ12.5μT、綱川―Shaw法では17.6μTと、比較的近似する値が得られた。これらの値は、先行研究で示された値とも調和的であるものの、それぞれの手法で採用される選択基準を一部満たしていない。これは、含まれる磁性粒子の磁区の多様性や不均質性が要因の1つと考えられる。今後は、SQUID顕微鏡での磁気マッピングから、安定したSD的な磁性粒子について選択的古地磁気強度測定を行う手法を検討する必要がある。
謝辞:本研究は科研費23K13188および21H04523の支援を受けた。また、モンゴルでの試料採取では,Davaadorj Davaasuren博士,Niiden Ichinnorov博士,Shuukhaaz Ganbat博士および現地ドライバーの方にお世話になった。心より感謝いたします.
試料は約770MaのGranite(Bold et al., 2016)および、約446MaのRhyolite(Kilian et al.,2016)を用いた。これらのパイロット試料に対して岩石磁気・古地磁気方位測定および古地磁気強度測定を行った。また、産業技術総合研究所のSQUID顕微鏡での磁気マッピングを行い,古地磁気強度データ抽出のための磁気特性の確認を行なった.
SQUID顕微鏡での磁気マッピングの結果およびヒステリシス測定の結果から、770Maのgraniteには多くの多磁区粒子(mulch domain: MD)が含まれていることが明らかとなっており、磁性鉱物のサイズや磁区は不均質である。一方で、446MaのRhyoliteは比較的均質で、単磁区粒子(single domain: SD)から擬単磁区粒子(pseudo single domain: PSD)で構成されている。また、段階交流消磁および段階熱消磁の結果、graniteは少なくとも3つの成分が確認できるのに対し、Rhyoliteは2成分を記録していることがわかっている。
古地磁気強度測定はパイロット試料に対して、IZZI-Thellier法と綱川―Shaw法を適用した。その結果、granite(770Ma)では、IZZI-Thellier法でおよそ3.3μT、綱川―Shaw法では3.0μTと調和的な値が得られた。また、Rhyolite(446Ma)では、IZZI-Thellier法でおよそ12.5μT、綱川―Shaw法では17.6μTと、比較的近似する値が得られた。これらの値は、先行研究で示された値とも調和的であるものの、それぞれの手法で採用される選択基準を一部満たしていない。これは、含まれる磁性粒子の磁区の多様性や不均質性が要因の1つと考えられる。今後は、SQUID顕微鏡での磁気マッピングから、安定したSD的な磁性粒子について選択的古地磁気強度測定を行う手法を検討する必要がある。
謝辞:本研究は科研費23K13188および21H04523の支援を受けた。また、モンゴルでの試料採取では,Davaadorj Davaasuren博士,Niiden Ichinnorov博士,Shuukhaaz Ganbat博士および現地ドライバーの方にお世話になった。心より感謝いたします.