日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GD 測地学

[S-GD02] 測地学・GGOS

2025年5月25日(日) 09:00 〜 10:30 105 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:松尾 功二(国土地理院)、横田 裕輔(東京大学生産技術研究所)、三井 雄太(静岡大学理学部地球科学科)、座長:宮原 伐折羅(国土交通省国土地理院)、市川 隆一(情報通信研究機構)

09:45 〜 10:00

[SGD02-04] GRACE衛星の短期的データを用いた効率的な地震時重力変化の検出方法の開発

*花沢 泰光1田中 優作1 (1.早稲田大学)

キーワード:GRACE、gravimetry、new method、sigmoid function

GRACE衛星やGRACE-FO衛星の観測データ (Level-2データ) から地震時の重力変化を抽出するプロセスにおいて,これまでは重みづけによるローパスフィルターやバンドパスフィルターを利用し,ランダムなノイズを含むさまざまなノイズを低減していた.しかし,これらの手法は解析の対象となるあらゆる波長の成分に対して重みづけを行うため,ノイズの大きなデータの重みを下げようとすると,ノイズだけでなく地震時の重力変化に関連するシグナルまでも減衰させてしまう可能性がある.特に地震発生後の数年は,ランダムなノイズを打ち消すのに十分な数のデータが蓄積されておらず,強烈なフィルター処理によってランダムノイズを低減しなければならず,どうしてもシグナルまでも減衰させてしまう.
 そこで本研究では,衛星重力観測のLevel-2データから迅速かつ高精度に地震時重力変化を抽出する方法を開発した.より具体的には,2011 年東北地方太平洋沖地震(Mw 9.0)を対象に,Level-2データ (重力ポテンシャルのStokes係数であり、波数領域のデータ) の各々の係数に対してデータを空間領域に変換する前に直接時系列解析を行い,各波長成分の地震時重力変化に対する寄与を求め,これと各係数の精度を同時に考慮してフィルター処理を行う方法を開発した.この方法で地震発生前14ヶ月・地震発生後4ヶ月分のみのデータを利用して解析を行ったところ,地震発生の前後約10年ずつのデータを利用した従来の手法による結果と良く一致する結果が得られた.そして本研究で開発した手法は,将来,超巨大地震が発生した後,迅速にS/Nの高い地震時重力変化の情報を得ることに応用できる.