12:00 〜 12:15
[SGD02-12] GNSS-A海底地殻変動観測における機器由来のバイアス誤差の軽減
キーワード:GNSS-A、海底地殻変動、音響計測、波形クラスタリング
20年以上にわたるGNSS-A手法の技術開発により,我々は海底の地殻変動速度をセンチメートル毎年以上の精度で捉えることができるようになった.GNSS-A観測において特に大きな測位誤差をもたらすと考えられる海中音速擾乱については,その時空間変化をデータから直接的に推定することで,影響を抑えることができている(e.g., Watanabe et al., 2023, J. Geod.).さらに,一部の機器バイアスについても,データを幾何学的にバランスよく取得することで,軽減または直接推定し補正することができている.例えば,GNSSアンテナと音響トランスデューサ間の相対位置(ATDオフセットという)の水平成分(正確には船に固定されたジャイロのロール軸方向とピッチ軸方向)の測定誤差は,船の向きを変えた測線で観測を実施することで軽減または直接推定することができる.また,システム内の時刻同期誤差,例えばジャイロデータの時刻ずれについても,GNSS測位解の動揺成分との相関を取ることにより補正が可能である.
上記のような補正が十分にできない可能性のある非ガウスノイズ的な誤差要因として主要なものには,音速プロファイルの誤差を含む音速擾乱のモデル化誤差,GNSS測位誤差,ATDオフセットの鉛直成分(ジャイロのヘディング軸)の測定誤差,音響信号の読取誤差があげられる.音速擾乱モデルの解像度はデータ配置に依存するが,観測のセッティングとして海面から海底へ測距する必要があるため,その改善には制約がある.GNSS測位誤差は,もしそれがホワイトノイズであれば,十分な数の音響データを取得する限り影響は抑えられる.しかし,数時間~日スケールで時間相関を持つランダムウォーク的な誤差については,海底測位解はその影響を直接受けることになる.ATDオフセット計測誤差については,ドック等での直接測量の信頼度に直接依存する.音響信号の読取誤差については,GNSSの位相中心変動(PCV)のように,音響機器の特性まで考慮してバイアスを補正する必要がある.本研究では,後者2つの機器由来のバイアスについて,誤差特性の精査及び誤差の軽減手法の開発を行う.
ATDオフセットについては,これまで測量船に音響トランスデューサが装備されるごとにドックにおいて地上測量を実施し,相対位置関係を求めていた(川井・他, 2009; 氏原・成田, 2012; 秋山・他, 2013; 秋山・横田, 2014; 吉田・他, 2021; 吉田, 2022).しかし,その具体的な測量の実施方法は船ごとに異なっていたため,その手法と成果について,測量自体の効率性も含めて取りまとめた.こうした情報から,再測量の必要性や今後新たに測量が必要になった際の効果的な測量の方針を示すことができるようになると期待される.
音響機器特性を踏まえた読取手法については,実データや水槽実験データを用いてAAR(Acoustic Ambiguity Reduction)法を開発し(Yokota et al., 2024, EPS; 永江・他, 2024, 超音波研究会),地殻変動解の精度が向上することが示された(e.g., Watanabe et al., 2024, AGU24).しかし,現在のAAR法の実装では,熟練した解析者による手作業を必要とする部分を残しており,増加していくデータをルーチンとして処理することが難しい.そこで,AAR法の自動化・自律化を図るため,音響信号の相関波形の自動分類手法を開発した.
上記のような補正が十分にできない可能性のある非ガウスノイズ的な誤差要因として主要なものには,音速プロファイルの誤差を含む音速擾乱のモデル化誤差,GNSS測位誤差,ATDオフセットの鉛直成分(ジャイロのヘディング軸)の測定誤差,音響信号の読取誤差があげられる.音速擾乱モデルの解像度はデータ配置に依存するが,観測のセッティングとして海面から海底へ測距する必要があるため,その改善には制約がある.GNSS測位誤差は,もしそれがホワイトノイズであれば,十分な数の音響データを取得する限り影響は抑えられる.しかし,数時間~日スケールで時間相関を持つランダムウォーク的な誤差については,海底測位解はその影響を直接受けることになる.ATDオフセット計測誤差については,ドック等での直接測量の信頼度に直接依存する.音響信号の読取誤差については,GNSSの位相中心変動(PCV)のように,音響機器の特性まで考慮してバイアスを補正する必要がある.本研究では,後者2つの機器由来のバイアスについて,誤差特性の精査及び誤差の軽減手法の開発を行う.
ATDオフセットについては,これまで測量船に音響トランスデューサが装備されるごとにドックにおいて地上測量を実施し,相対位置関係を求めていた(川井・他, 2009; 氏原・成田, 2012; 秋山・他, 2013; 秋山・横田, 2014; 吉田・他, 2021; 吉田, 2022).しかし,その具体的な測量の実施方法は船ごとに異なっていたため,その手法と成果について,測量自体の効率性も含めて取りまとめた.こうした情報から,再測量の必要性や今後新たに測量が必要になった際の効果的な測量の方針を示すことができるようになると期待される.
音響機器特性を踏まえた読取手法については,実データや水槽実験データを用いてAAR(Acoustic Ambiguity Reduction)法を開発し(Yokota et al., 2024, EPS; 永江・他, 2024, 超音波研究会),地殻変動解の精度が向上することが示された(e.g., Watanabe et al., 2024, AGU24).しかし,現在のAAR法の実装では,熟練した解析者による手作業を必要とする部分を残しており,増加していくデータをルーチンとして処理することが難しい.そこで,AAR法の自動化・自律化を図るため,音響信号の相関波形の自動分類手法を開発した.