17:15 〜 19:15
[SGD03-P14] 東北地方太平洋沖地震後の前弧域における地震波減衰の時空間変化

キーワード:地震波減衰、粘弾性緩和、間隙弾性反発、アフタースリップ
東北地方太平洋沖地震後の地表変位は,アフタースリップ,粘弾性緩和,および間隙弾性反発の3つによって説明されると考えられている.しかし,これらの要素は地表変位への寄与においてトレードオフの関係にあり,地表変位観測のみではその分離が困難である.本研究では,地震波減衰の時間変化から,このトレードオフに観測的制約を与えることを目指す.
解析対象は,2011-2023年に東北地方太平洋沖地震の震源域で発生したM3.0-5.0の地震である.まず気象庁一元化震源カタログを初期値としてhypoDDを適用し,震源を再決定した.次に古い順に全地震数の1/3を最初のデータセットとして選択した.解析では,まずデータセット内で震源間距離が5 km以下の地震ペアを選び,同一観測点におけるP波初動のスペクトル比を算出した.これを地震ペアの平均走時で割ることで,震源距離の影響を除去した.その後,スペクトル比の分母の地震が分子より必ず古くなるような全地震ペアをスタックし,観測スペクトル比を得た.これに理論スペクトル比をフィッティングすることで,減衰の時間変化を評価した.地震ペア間で減衰に変化がない場合,スペクトル比の傾きはゼロとなり,減衰が時間とともに小さくなる場合は正の傾き,大きくなる場合は負の傾きを示す.この解析を,データセットの地震を古い順に全地震数の1/100個ずつ入れ替えながら繰り返し実施し,減衰の時間変化を追跡した.
結果として,数年以上の長期的な時間スケールでは減衰が継続的に減少する傾向が見られた.一方,数か月以下の短期的な変動については,解析領域・期間への依存性が強く,その解釈は困難である.長期的な減衰変化は下部地殻の粘弾性緩和による構造変化を反映している可能性があることから,粘弾性モデルとの比較をするために,本震直後の短期的な減衰変化を安定して抽出する方法を検討する.
解析対象は,2011-2023年に東北地方太平洋沖地震の震源域で発生したM3.0-5.0の地震である.まず気象庁一元化震源カタログを初期値としてhypoDDを適用し,震源を再決定した.次に古い順に全地震数の1/3を最初のデータセットとして選択した.解析では,まずデータセット内で震源間距離が5 km以下の地震ペアを選び,同一観測点におけるP波初動のスペクトル比を算出した.これを地震ペアの平均走時で割ることで,震源距離の影響を除去した.その後,スペクトル比の分母の地震が分子より必ず古くなるような全地震ペアをスタックし,観測スペクトル比を得た.これに理論スペクトル比をフィッティングすることで,減衰の時間変化を評価した.地震ペア間で減衰に変化がない場合,スペクトル比の傾きはゼロとなり,減衰が時間とともに小さくなる場合は正の傾き,大きくなる場合は負の傾きを示す.この解析を,データセットの地震を古い順に全地震数の1/100個ずつ入れ替えながら繰り返し実施し,減衰の時間変化を追跡した.
結果として,数年以上の長期的な時間スケールでは減衰が継続的に減少する傾向が見られた.一方,数か月以下の短期的な変動については,解析領域・期間への依存性が強く,その解釈は困難である.長期的な減衰変化は下部地殻の粘弾性緩和による構造変化を反映している可能性があることから,粘弾性モデルとの比較をするために,本震直後の短期的な減衰変化を安定して抽出する方法を検討する.
