日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-GL 地質学

[S-GL22] 地球年代学・同位体地球科学

2025年5月27日(火) 15:30 〜 17:00 201A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(高知大学海洋コア総合研究センター)、渡邊 裕美子(京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻)、山﨑 誠子(国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター)、座長:田上 高広(京都大学大学院理学研究科)、佐野 有司(高知大学海洋コア総合研究センター)、渡邊 裕美子(京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻)、山﨑 誠子(国立研究開発法人産業技術総合研究所地質調査総合センター)

15:30 〜 16:00

[SGL22-01] 樹木年輪の酸素同位体比を用いた考古材の年代測定

★招待講演

*佐野 雅規1 (1.国立歴史民俗博物館)

キーワード:年輪年代学、酸素同位体比、14Cスパイクマッチング法

暖温・湿潤な日本では、気候だけでなく、隣接木との生態学的な競争が樹木の成長を左右するので、寒冷・乾燥地に比べ年輪幅の広狭変動パターンの個体間相関が低い。それゆえ、既に過去3000年超にわたる年輪幅の標準年輪曲線(年代決定の基準となる年代既知の年輪データ)が整備されているものの、年代決定の対象となる樹種やサンプルの年輪数に大きな制約がある。他方、樹木年輪のセルロースに含まれる酸素同位体比は、成長期の相対湿度と降水の同位体比によって規定されているので、樹種依存性が低く、個体間での変動パターンも年輪幅に比べ良く一致する。本報告では、日本の年輪酸素同位体比データセットの整備状況と、それを用いた考古材の年代測定について解説する。また、単年輪の放射性炭素測定に基づくスパイクマッチ法による年代決定についても紹介する。さらに遺跡から出土する大多数の木材は年輪数が50年に満たないため、これらの年輪年代を決定するための取り組みとして年層内の同位体分析についても触れる。