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[SMP28-12] 静岡県北西部天竜地域三波川帯結晶片岩の構造岩石学的研究

キーワード:三波川帯、天竜、泥質片岩、炭質物ラマン温度計
静岡県北西部に位置する三波川帯は阿多古川断層によって北東部の天竜地域と南西部の渋川地域に分けられる。このうち天竜地域の研究は、炭質物の石墨化度を用いた研究によって複雑な温度構造を持つこと[1]、変成度として緑泥石帯、ざくろ石帯、一部に黒雲母帯が分布することが報告された。しかし、石墨化度の温度推定時に試料を粉末状にする作業工程が測定結果に影響する可能性が指摘され、その温度推定の信頼性について再検討が必要である。本研究では、天竜地域西部白倉ユニット北西部の奥山川と出馬川沿いの結晶片岩について、主に泥質片岩について非破壊で測定できる顕微ラマン分光装置を用いた炭質物ラマン温度計[2][3]と走査型電子顕微鏡を用いた電子線後方散乱回折(SEM-EBSD)による結晶方位分析を行い、新たに天竜地域三波川帯の温度構造と微細構造を考察した。泥質片岩の主要構成鉱物は、石英、曹長石、白雲母、緑泥石、炭質物、一部の試料でざくろ石や方解石が確認された。泥質片岩から得られた炭質物ラマン温度は364–458 °Cで、調査地域北東部で高温を示す傾向にあった。ざくろ石は395 °C以上の試料でのみ確認された。石英の平均粒径が12–60 µm、曹長石の平均粒径は15–75 µmであった。石英のc軸ファブリックは概ねタイプⅠクロスガードルを示した。温度構造について、炭質物のラマン温度と石墨化度[1]は正の相関を示すことは、天竜地域では炭質物の石墨化度が温度構造の指標になりうることを示唆する。また、片理面の推定断面図からNE-SW方向に軸を持つ褶曲構造と片理面に平行な温度構造が推察された。石英の平均粒径は温度に応じた変化を示さないが、曹長石の平均粒径は温度の増加に応じてやや増加傾向にあった。以上の結果から、天竜地域の温度構造と変形履歴について議論する。
[1] Tagiri et al. (2000) Island Arc, [2] Aoya et al. (2010) J. Metamor. Geol., [3] Kouketsu et al. (2014) Island Arc.
[1] Tagiri et al. (2000) Island Arc, [2] Aoya et al. (2010) J. Metamor. Geol., [3] Kouketsu et al. (2014) Island Arc.