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[SMP28-P01] 一ノ目潟かんらん岩捕獲岩の界面エネルギーと粒径の関係:岩石メルト相互作用の影響

キーワード:Zener則、かんらん岩捕獲岩、岩石メルト相互作用、二面角
岩石中の粒子サイズ(粒径)は物質拡散や変形を考える上で基本的な熱力学パラメータの1つである。粒径と構成鉱物の体積分率は天然や実験で観察される岩石の解析から粒界移動とピン止め力の釣り合いを考えたZener則に従うことが分かっている。例えば天然と実験室で合成したかんらん岩は4桁のかんらん石粒径(10-0.5~103.5μm)の範囲で同じZener則が成り立つ (Tasaka et al., 2014)。この結果から、かんらん石-輝石の界面エネルギーは異なる岩石組織形成の条件(温度、圧力、時間、変形の有無、化学組成)を持つ天然と実験試料で一定であると仮説が立てられるが、実際に天然岩石を用い界面エネルギーを実測した研究はない。そこで天然かんらん岩の界面エネルギーをかんらん石-かんらん石-輝石(ol-ol-px)の二面角から求め上記の仮説を検証する。現在地上に露出している天然のかんらん岩は様々な程度に岩石メルト相互作用を被っている。本研究はSato and Ozawa (2019)で平衡温度・圧力(830-1080℃、7.2-16Kbar)、深さ (28-55km)と求められている秋田県一ノ目潟かんらん岩捕獲岩8試料を用い結晶方位解析、二面角測定を行い、天然かんらん岩の2面角と岩石メルト相互作用の関係を明らかにした。
微細構造観察により、ほとんどの試料がスピネルレルゾライトに分類された。かんらん石を第1相、かんらん石以外の鉱物を第2相とし、第1相と第2相の平均粒径と第2相の体積分率の関係を調べると、Tasaka et al. (2014)と同じZener則に従った。電子後方散乱回折(EBSD)の解析からかんらん石の結晶方位定向配列(CPO)は最も浅い領域(深さ28km)を起源にもつ1試料ではメルトとかんらん岩が一緒に変形した時に形成されるAG-TypeのCPO、それ以外の7試料でメルトなしのかんらん岩変形した時に形成されるA-, D-typeのCPOを示した。また、かんらん石-かんらん石-直方輝石(ol-ol-opx)とかんらん石-かんらん石-単斜輝石(ol-ol-cpx)の2面角を各試料70個以上測定した。平均二面角はol-ol-opxとol-ol-cpxでそれぞれ95~110°、90~105°であった。統計学的な手法(赤池情報基準AIC)を使い二面角の分布はol-ol-opxでは1つの正規分布、ol-ol-cpxでは2つの正規分布の組み合わせで説明できることが分かった。
ol-ol-cpxの2面角が2つの正規分布で説明できる試料はSato and Ozawa (2019)でリソスフェア-アセノスフェア境界(LAB領域)に由来すると提案されるかんらん岩であり、ol-ol-cpx2面角の2つの正規分布の内、高角側の分布はメルトなしの系におけるかんらん石-輝石間の界面エネルギーを示す。一方、低角側の分布はかんらん石―メルト間の界面エネルギーに由来する2面角で、その後メルトとかんらん石が反応し新しい輝石を形成し、焼鈍しを受ける過程で高角側に2面角が移行して行く過程を観察していると考えた。また、本研究で観察した試料の粒径と鉱物量比はTasaka et al. (2014)と同じZener則に従うことから、様々な程度に岩石メルト相互作用と変形を受けた一ノ目潟かんらん岩捕獲岩でも、その後、焼鈍しを受け平衡な岩石組織となれば、メルトなしの天然や実験試料と同様な界面エネルギーと2面角を持つことが示唆された。本研究の結果は岩石メルト相互作用を受けた最上部マントルかんらん岩の粒径を考える上で重要な意味を持つと考える。
微細構造観察により、ほとんどの試料がスピネルレルゾライトに分類された。かんらん石を第1相、かんらん石以外の鉱物を第2相とし、第1相と第2相の平均粒径と第2相の体積分率の関係を調べると、Tasaka et al. (2014)と同じZener則に従った。電子後方散乱回折(EBSD)の解析からかんらん石の結晶方位定向配列(CPO)は最も浅い領域(深さ28km)を起源にもつ1試料ではメルトとかんらん岩が一緒に変形した時に形成されるAG-TypeのCPO、それ以外の7試料でメルトなしのかんらん岩変形した時に形成されるA-, D-typeのCPOを示した。また、かんらん石-かんらん石-直方輝石(ol-ol-opx)とかんらん石-かんらん石-単斜輝石(ol-ol-cpx)の2面角を各試料70個以上測定した。平均二面角はol-ol-opxとol-ol-cpxでそれぞれ95~110°、90~105°であった。統計学的な手法(赤池情報基準AIC)を使い二面角の分布はol-ol-opxでは1つの正規分布、ol-ol-cpxでは2つの正規分布の組み合わせで説明できることが分かった。
ol-ol-cpxの2面角が2つの正規分布で説明できる試料はSato and Ozawa (2019)でリソスフェア-アセノスフェア境界(LAB領域)に由来すると提案されるかんらん岩であり、ol-ol-cpx2面角の2つの正規分布の内、高角側の分布はメルトなしの系におけるかんらん石-輝石間の界面エネルギーを示す。一方、低角側の分布はかんらん石―メルト間の界面エネルギーに由来する2面角で、その後メルトとかんらん石が反応し新しい輝石を形成し、焼鈍しを受ける過程で高角側に2面角が移行して行く過程を観察していると考えた。また、本研究で観察した試料の粒径と鉱物量比はTasaka et al. (2014)と同じZener則に従うことから、様々な程度に岩石メルト相互作用と変形を受けた一ノ目潟かんらん岩捕獲岩でも、その後、焼鈍しを受け平衡な岩石組織となれば、メルトなしの天然や実験試料と同様な界面エネルギーと2面角を持つことが示唆された。本研究の結果は岩石メルト相互作用を受けた最上部マントルかんらん岩の粒径を考える上で重要な意味を持つと考える。