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[SMP29-P03] カルシウムホウ酸塩鉱物のFundamental Building Blocks(基本構造単位)の形成条件の解明

キーワード:水熱合成実験、溶解再沈殿、gowerite、priceite、nobleite
ホウ酸塩鉱物は,結晶構造内で3配位(△)と4配位(□)のホウ酸[BOx(OH)y; x+y= 3 or 4]が結合して基本構造単位(Fundamental building blocks; FBBs)を構成している(Burns et al. 1995).△と□のホウ酸の組み合わせによって形成可能なFBBの種類はきわめて多様である.このように多様な結合様式のFBBを持つホウ酸塩鉱物であるが,ホウ酸がどのように重合し,どのような条件でどのようなFBBが形成され,結果としてどのようなホウ酸塩鉱物が晶出するのか,その詳細なメカニズムは明らかになっていない.
本研究では,出発物質H3BO3,NaOH,CaCl2を用いて,温度を120℃から240℃,反応時間を12時間から15日の範囲で水熱合成実験を実施し,カルシウムホウ酸塩鉱物を合成した.そして生成物の分析・解析,およびそのフィードバックサイクルを通して,ホウ酸塩鉱物のFBBの形成条件を検討した.
放射光粉末XRDの結果,この合成条件の範囲では,gowerite CaB6O8 (OH)4・3H2O; FBB = <△2□>-<2△□>,△,priceite Ca2B5O7(OH)5・H2O; FBB = <△2□>-<3□>,nobleite CaB6O9(OH)2・3H2O; FBB = [Φ]<△2□>|<△2□>|<△2□>の3種類のホウ酸塩鉱物の生成を確認した.Goweriteは加熱温度120℃および150℃,反応時間12時間で得られた.Priceiteは,加熱温度150℃で反応時間を12時間から2日に長くすることで得られた.したがって,priceiteはgoweriteの溶解再沈殿によって形成することが分かった.また,priceiteは,加熱温度を150℃から180~240℃に上昇させ,反応時間を12時間に短縮させることでも得られ,さらにpHを上昇(≃pH14)させることによっても得られた.一方,加熱温度150℃,反応時間12時間後に自然放冷し,室温で5日間保持すると,nobleiteとgoweriteが得られた.加えて,加熱温度210℃,反応時間2日後に自然放冷し,35℃で15日間保持すると,単相のnobleiteが得られた.したがって,nobleiteは,goweriteとpriceiteの溶解再沈殿によって形成することが分かった.これらの3相のFBBの結合様式は全て異なっているが,<△2□>環が共通している.したがって,これらの3相は,変化の過程でFBBの一部(<△2□>環)を継承しながら結合様式を変化させ,結晶化していると考えられる.本研究によって,FBBの結合様式は温度と反応時間に応じて変化することが確認され,ホウ酸塩鉱物は形成した当時の環境の環境指標として利用できる可能性が示された.
本研究では,出発物質H3BO3,NaOH,CaCl2を用いて,温度を120℃から240℃,反応時間を12時間から15日の範囲で水熱合成実験を実施し,カルシウムホウ酸塩鉱物を合成した.そして生成物の分析・解析,およびそのフィードバックサイクルを通して,ホウ酸塩鉱物のFBBの形成条件を検討した.
放射光粉末XRDの結果,この合成条件の範囲では,gowerite CaB6O8 (OH)4・3H2O; FBB = <△2□>-<2△□>,△,priceite Ca2B5O7(OH)5・H2O; FBB = <△2□>-<3□>,nobleite CaB6O9(OH)2・3H2O; FBB = [Φ]<△2□>|<△2□>|<△2□>の3種類のホウ酸塩鉱物の生成を確認した.Goweriteは加熱温度120℃および150℃,反応時間12時間で得られた.Priceiteは,加熱温度150℃で反応時間を12時間から2日に長くすることで得られた.したがって,priceiteはgoweriteの溶解再沈殿によって形成することが分かった.また,priceiteは,加熱温度を150℃から180~240℃に上昇させ,反応時間を12時間に短縮させることでも得られ,さらにpHを上昇(≃pH14)させることによっても得られた.一方,加熱温度150℃,反応時間12時間後に自然放冷し,室温で5日間保持すると,nobleiteとgoweriteが得られた.加えて,加熱温度210℃,反応時間2日後に自然放冷し,35℃で15日間保持すると,単相のnobleiteが得られた.したがって,nobleiteは,goweriteとpriceiteの溶解再沈殿によって形成することが分かった.これらの3相のFBBの結合様式は全て異なっているが,<△2□>環が共通している.したがって,これらの3相は,変化の過程でFBBの一部(<△2□>環)を継承しながら結合様式を変化させ,結晶化していると考えられる.本研究によって,FBBの結合様式は温度と反応時間に応じて変化することが確認され,ホウ酸塩鉱物は形成した当時の環境の環境指標として利用できる可能性が示された.