17:15 〜 19:15
[SSS08-P01] 北海道下の地震波速度構造の推定
- マントルウェッジ脱水反応による十勝岳下の高 VP/VS 領域 -
キーワード:地震波速度トモグラフィ、マントル、脱水反応
地球内部に存在するマグマだまりの位置を正確に把握するには,地震波トモグラフィ法を利用した詳細な地球内部速度構造モデルによる推定がよく用いられている.本研究では,SIRT(Simultaneous Iterative Reconstruction Technique; 同時反復構成法)を用いて波線経路毎のスローネスパータベーションを最小にする,解析プログラムを作成し北海道下の地震波速度構造の推定を行なった.本手法は,解像度マトリックスの計算ができないが巨大で疎な逆行列を解く必要がないため,簡便で高速に処理を行うことができる.しかしながら,推定する内部構造の決定精度が計算グリッドを通過する波線密度に依存するという側面も持つ.
北海道下では,太平洋プレートが南東−北西方向に,日高山脈,より北側は北見山地および天塩山地に沿うように沈み込んでおり,北海道の中央には十勝岳が位置している.十勝岳は200万年前より活動を始め,過去150年の間だけでも,安政(1857年),明治(1887~88年),大正・昭和(1926~28年),昭和(1962年)および昭和・平成(1988~89年)の5回の顕著な噴火記録がある.噴火様式は主にストロンボリ式噴火である.山体は玄武岩~安山岩から構成されており,マントルにおける初生マグマが強く関与していると思われる.
解析の初期速度構造モデルは,iasp91 (Kennet et al., 1991) を用いた.太平洋プレートの沈み込み方向に沿い,十勝岳を含み,北海道内をより長く通過する測線を設定し,2013年〜2022年の10年間に発生し,測線から両側15km以内の,震源,観測点(14点)を気象庁一元化震源リストより抽出した.解析に用いた地震数は10,562,総波線数は33,077である.グリッド間隔は測線方向・深さ方向とも30kmと設定した.解析の結果,十勝岳より南側では陸側プレートに相当するような直線的な,低VP/VS領域が見られた.十勝岳直下から沈み込んだ太平洋プレートのスラブ内の地震発生数が急激に減少する,深さ150km以深に向かう,導管状の高VP/VS領域が見られた.このような領域は,日本の代表的な速度構造モデルであるMatsubara et al. (2018) では見られなかった,北海道下マントルウェッジ内でマグマ溶融を示すような構造である.
北海道下では,太平洋プレートが南東−北西方向に,日高山脈,より北側は北見山地および天塩山地に沿うように沈み込んでおり,北海道の中央には十勝岳が位置している.十勝岳は200万年前より活動を始め,過去150年の間だけでも,安政(1857年),明治(1887~88年),大正・昭和(1926~28年),昭和(1962年)および昭和・平成(1988~89年)の5回の顕著な噴火記録がある.噴火様式は主にストロンボリ式噴火である.山体は玄武岩~安山岩から構成されており,マントルにおける初生マグマが強く関与していると思われる.
解析の初期速度構造モデルは,iasp91 (Kennet et al., 1991) を用いた.太平洋プレートの沈み込み方向に沿い,十勝岳を含み,北海道内をより長く通過する測線を設定し,2013年〜2022年の10年間に発生し,測線から両側15km以内の,震源,観測点(14点)を気象庁一元化震源リストより抽出した.解析に用いた地震数は10,562,総波線数は33,077である.グリッド間隔は測線方向・深さ方向とも30kmと設定した.解析の結果,十勝岳より南側では陸側プレートに相当するような直線的な,低VP/VS領域が見られた.十勝岳直下から沈み込んだ太平洋プレートのスラブ内の地震発生数が急激に減少する,深さ150km以深に向かう,導管状の高VP/VS領域が見られた.このような領域は,日本の代表的な速度構造モデルであるMatsubara et al. (2018) では見られなかった,北海道下マントルウェッジ内でマグマ溶融を示すような構造である.