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[SSS08-P02] 北海道日高変成帯幌満橄欖岩体周辺の比抵抗構造の推定

キーワード:幌満橄欖岩、日高衝突帯、日高主衝上断層
北海道日高地域では、千島弧と東北日本弧の衝突によって日高衝突帯が形成されている。またその南端部には、マントル物質である橄欖岩などから構成される幌満橄欖岩体が露出している。幌満橄欖岩は、変質作用を受けていない新鮮な橄欖岩であるため、上部マントルの情報を保持しているとされ、地質学的に重要視されている。地質学的・岩石学的研究によると、日高変成帯の変成岩層序から、衝突により千島弧がめくり上がって日高衝突帯が形成されたと考えられている。そこで、実際の地下構造を明らかにするため、これまでに物理探査に基づく研究が行われてきた。Ito (2000)およびIwasaki et al. (2019)は、人工地震を用いた反射法地震探査により下部地殻内の地震波反射面を捉え、千島弧の下部地殻が島弧地殻同士の衝突により剥離し、その上半分が東北日本弧の上に衝上し、下半分が沈降するデラミネーションモデルを提唱した。Kita et al. (2012)は自然地震を用いた地震波トモグラフィーによって、地殻物質と解釈できる低速度領域および上部マントル物質と解釈できる高速度領域を推定し、デラミネーションモデルとは異なる千島弧の地殻全体と最上部マントルが東北日本弧に衝上するモデルを提唱した。しかし、どちらのモデルでもマントル物質の露出する幌満橄欖岩体周辺の詳細な構造は明らかにしていない。Ichihara et al. (2016)によるMagnetotelluric法(MT)探査では、幌満橄欖岩露出域の地下浅部にシート状の薄い高比抵抗帯が推定された。この高比抵抗帯は幌満橄欖岩を反映している可能性があるが、幌満橄欖岩体の直上にMT観測点がなく十分な精度が得られなかったため、Ichihara et al. (2016)ではその構造について議論がなされていない。
そこで本研究では、幌満橄欖岩体直上に新たに観測点を9点設置し、MT探査を実施した。データ解析においては、取得した時系列の観測データからノイズが少ない時間範囲を選択し、MTレスポンスを算出した。MTレスポンスの算出にはBIRRPコード(Chave and Thomson, 2004)を用い、時間領域の電磁場データを周波数領域に変換し、各周波数に対するインピーダンスを推定し、見掛け比抵抗および位相を算出した。その結果、高い周波数において見掛け比抵抗は高く、周波数が減少するに伴って低比抵抗にシフトする傾向が確認された。これは、低周波数の見掛け比抵抗ほど深部の影響を含むため、表層部が高比抵抗、深部が低比抵抗となることを示唆している。
そこで本研究では、幌満橄欖岩体直上に新たに観測点を9点設置し、MT探査を実施した。データ解析においては、取得した時系列の観測データからノイズが少ない時間範囲を選択し、MTレスポンスを算出した。MTレスポンスの算出にはBIRRPコード(Chave and Thomson, 2004)を用い、時間領域の電磁場データを周波数領域に変換し、各周波数に対するインピーダンスを推定し、見掛け比抵抗および位相を算出した。その結果、高い周波数において見掛け比抵抗は高く、周波数が減少するに伴って低比抵抗にシフトする傾向が確認された。これは、低周波数の見掛け比抵抗ほど深部の影響を含むため、表層部が高比抵抗、深部が低比抵抗となることを示唆している。