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[SSS08-P05] 近畿地方内陸で発生する深部低周波地震活動域の地震波速度構造
キーワード:深部低周波地震、地震波速度構造、地震波走時トモグラフィー
深部低周波地震(DLFEs)は火山下のモホ面付近や,プレート境界で発生している.一方,西南日本,特に近畿地方においては内陸部で孤立してDLFEsが発生している.これらは,火山から離れておりかつプレート境界でない場所で発生している点で,特異なDLFEsである.このように火山から離れて孤立して発生する特徴を持つ DLFEsの活動域周辺は火山下とは異なる場となっていると予想される.しかしながら,これらのDLFEsの活動域周辺の地殻・上部マントル構造を高い分解能で推定した研究は少ない.本研究では,地震波走時トモグラフィー法によって西南日本の三次元地震波速度構造を推定することで,火山から離れて孤立して発生するDLFEsの活動域周辺における不均質構造を明らかにした.
紀伊半島西部(和歌山)では群発地震が発生しており,その深部でDLFEsが発生している.群発地震活動域の下部は低速度異常を示した.これは既往研究によって得られている地震波速度構造モデルと整合的である.また,この低速度異常領域の上側および下側の縁でDLFEsが発生していることが明らかとなった.得られた地震波速度構造より,群発地震活動域への流体の流入およびスラブ直上における流体の上昇が示唆される.
一方,大阪湾下部で発生するDLFEsの活動域深部にあたる最上部マントル(深さ40~50 km)は高速度異常を示した.火山下や紀伊半島下で発生するDLFEsの活動域深部は低速度異常を示しており,大阪湾下で発生するDLFEsの活動域深部はこれらとは異なる速度構造を示した.大阪湾下で発生するDLFEs活動域にも周囲からの流体の流入が期待されるが,深部からの直接的な流体経路は見当たらない.DLFEs活動域への周囲からの流体の回り込みや,本研究の分解能では捉えきれない規模の深部からの流体経路が存在する可能性がある.また,12 Ma~15 Maには瀬戸内海周辺において大規模な火成活動があったことが指摘されている.大阪湾深部の高速度異常領域は冷えたマグマだまりの存在を反映している可能性があり,当時生じたマグマ起源流体が現在も地殻内部に残留し,その流体がDLFEsを引き起こしている可能性も考えられる.本研究では地震波速度の絶対値を精度良く推定できていないため,これらの仮説の妥当性を判断することはできなかった.しかしながら,大阪湾下で発生するDLFEsの活動域周辺は少なくとも火山下のモホ面付近や紀伊半島下で発生するDLFEsの活動域周辺とは異なる場であると思われる.このような特異な地下構造が,火山から離れた内陸という特異な場でDLFEsを発生させているのかもしれない.
紀伊半島西部(和歌山)では群発地震が発生しており,その深部でDLFEsが発生している.群発地震活動域の下部は低速度異常を示した.これは既往研究によって得られている地震波速度構造モデルと整合的である.また,この低速度異常領域の上側および下側の縁でDLFEsが発生していることが明らかとなった.得られた地震波速度構造より,群発地震活動域への流体の流入およびスラブ直上における流体の上昇が示唆される.
一方,大阪湾下部で発生するDLFEsの活動域深部にあたる最上部マントル(深さ40~50 km)は高速度異常を示した.火山下や紀伊半島下で発生するDLFEsの活動域深部は低速度異常を示しており,大阪湾下で発生するDLFEsの活動域深部はこれらとは異なる速度構造を示した.大阪湾下で発生するDLFEs活動域にも周囲からの流体の流入が期待されるが,深部からの直接的な流体経路は見当たらない.DLFEs活動域への周囲からの流体の回り込みや,本研究の分解能では捉えきれない規模の深部からの流体経路が存在する可能性がある.また,12 Ma~15 Maには瀬戸内海周辺において大規模な火成活動があったことが指摘されている.大阪湾深部の高速度異常領域は冷えたマグマだまりの存在を反映している可能性があり,当時生じたマグマ起源流体が現在も地殻内部に残留し,その流体がDLFEsを引き起こしている可能性も考えられる.本研究では地震波速度の絶対値を精度良く推定できていないため,これらの仮説の妥当性を判断することはできなかった.しかしながら,大阪湾下で発生するDLFEsの活動域周辺は少なくとも火山下のモホ面付近や紀伊半島下で発生するDLFEsの活動域周辺とは異なる場であると思われる.このような特異な地下構造が,火山から離れた内陸という特異な場でDLFEsを発生させているのかもしれない.