15:45 〜 16:00
[SSS10-24] 二面せん断摩擦実験による複合面構造を持つ断層挙動の評価
キーワード:断層、摩擦実験、短縮量、複合すべり面
地震発生プロセスは、簡略化された一面の断層の動きと仮定して議論することが多い。しかし実際の天然の断層は大小さまざまなスケールの複数の断層や弱面が発達しており、一面の断層として単純化できない場合もある。しかし一方、近接した複数の断層の相互作用については実験的にあまり評価されていない。そこで本研究では近接した平行の二つの断層面に同時にせん断応力を加えていったときの各断層の動き、および各断層の短縮量を厳密に計測するシステムを開発した。各断層面に誘導式角度エンコーダを取り付けて、すべり挙動を観察した。さらに複数のレーザー変位計を用いて各断層の軸荷重方向の短縮量を計測した。本研究では、二酸化ケイ素粉末を断層模擬物質として用いた試験結果を報告する。摩擦実験は(1)一定速度制御(回転速度0.2rpm=0.18 mm/s)と(2)トルク増加制御(最大速度0.2 rpm)の2種類の制御実験を実施した。また、同じ試料を用いて一面せん断実験を実施して、二面せん断実験との違いを比較した。いずれの実験も最大すべり量は0.1m、垂直荷重は4MPaを与えた。
すべり開始からすべり変位量1cmまでは2つの断層面が両方同時、もしくは小刻みに交互に動く挙動が認められた。その後、片側の断層の動きが止まり、もう片側のみが滑りだした。1~2cmすべったのち、すべりが止まり、もう片側の断層がすべった。その後、このすべり面が置き換わる挙動がすべり変位量1~2cmごとに認められた。摩擦係数の時間変化は、すべり面の置き換わりに関係なくスムーズに変化しているように読み取れる。しかし、各断層について摩擦係数とすべり量の関係として整理すると、同じ変位量で比較した場合、最終的にすべり量が大きかった下側の断層の摩擦係数が上側の断層の摩擦係数より低い特徴が認められた。また一定変量あたりの短縮量は下側が大きくなる特徴が認められた。トルク制御実験でも一定速度実験と同じすべり挙動が認められた。一方、一面せん断実験と二面せん断実験を比較すると、二面せん断実験のほうが摩擦係数の立ち上がり早く、定常摩擦が低くなる特徴が認められた。また短縮量は二面せん断実験のほうが、やや大きくなる特徴が認められた。本実験結果は地震観測や測地から求めた地震断層挙動と物質科学的な分析から推定した地震挙動の乖離を議論する上で重要な知見を与える。
すべり開始からすべり変位量1cmまでは2つの断層面が両方同時、もしくは小刻みに交互に動く挙動が認められた。その後、片側の断層の動きが止まり、もう片側のみが滑りだした。1~2cmすべったのち、すべりが止まり、もう片側の断層がすべった。その後、このすべり面が置き換わる挙動がすべり変位量1~2cmごとに認められた。摩擦係数の時間変化は、すべり面の置き換わりに関係なくスムーズに変化しているように読み取れる。しかし、各断層について摩擦係数とすべり量の関係として整理すると、同じ変位量で比較した場合、最終的にすべり量が大きかった下側の断層の摩擦係数が上側の断層の摩擦係数より低い特徴が認められた。また一定変量あたりの短縮量は下側が大きくなる特徴が認められた。トルク制御実験でも一定速度実験と同じすべり挙動が認められた。一方、一面せん断実験と二面せん断実験を比較すると、二面せん断実験のほうが摩擦係数の立ち上がり早く、定常摩擦が低くなる特徴が認められた。また短縮量は二面せん断実験のほうが、やや大きくなる特徴が認められた。本実験結果は地震観測や測地から求めた地震断層挙動と物質科学的な分析から推定した地震挙動の乖離を議論する上で重要な知見を与える。