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[SSS10-P04] 動力学モデルを用いた浅部低速度層の断層破壊挙動への影響
キーワード:2014年長野県北部地震、動力学モデル、アスペリティ、速度層構造モデル
地表地震断層の発生における断層浅部の破壊挙動の理解と、断層浅部を含めた内陸地殻内地震の地震動評価方法において、断層面での力のつり合いに基づく破壊挙動をモデル化できる動力学モデルを用いたシミュレーションは有効な手法である。既往研究では均質地盤を仮定したモデルを用いて検討されるのが一般的である。しかし、地表地震断層が発生する場合には、地表付近の低速度層まで断層破壊が到達していることが想定されることから、速度層構造を考慮した上で断層浅部の破壊挙動を把握することは重要である。そこで本研究では、地表地震断層が発生した逆断層地震の2014年長野県北部地震(Mw 6.2)を対象とし、アスペリティ位置を変更した感度解析および速度層構造を適用した断層破壊シミュレーションを行った。
断層モデルは、田中・他(2017)による浅部と深部に2つアスペリティを持つモデルをもとに、均質地盤に単純な逆断層を仮定して、応力降下量や臨界すべり量等を調整し、断層近傍の観測記録(地表地震断層の変位分布、速度・変位波形)を再現した均質モデルを策定した(Tsuda・他,2023)。ただし、浅部の断層破壊挙動を再現、把握し、浅部アスペリティの影響や、深部アスペリティ位置の違いによる影響を確認する必要があることから、このモデルを基に感度解析を行った。その結果、浅部アスペリティがないケースでは、均質モデルと比較して最大すべり量に大きな差は生じないが、浅部アスペリティ近傍の地表地震断層の変位が小さくなることから、浅部アスペリティの影響は表層のごく近傍に限られる。深部アスペリティの深度が浅くなると、地表地震断層の変位量が大きくなり、最大すべり量も増大する。深部アスペリティがある程度深くなると、断層破壊領域が地表面に達せず最大すべり量・断層破壊領域ともに小さくなった。
次に媒質以外は同じ条件として、速度層構造を適用したモデルを用いて断層破壊シミュレーションを実施し、速度層の考慮の有無による影響を比較した。結果は浅部アスペリティ付近で低速度層の影響を受け地表地震断層付近に大きなすべりが発生し、断層破壊領域も大きくなった。しかし、浅部の剛性が低いため地震モーメントに大きな違いは生じなかった。断層近傍の観測地点における速度および変位波形の振幅は、低速度層の影響で大きくなり、応答波形は速度層境界による反射波の影響を受け、均質モデルのパルス性状から観測記録のような多くの振幅を含む波形となった。
断層モデルは、田中・他(2017)による浅部と深部に2つアスペリティを持つモデルをもとに、均質地盤に単純な逆断層を仮定して、応力降下量や臨界すべり量等を調整し、断層近傍の観測記録(地表地震断層の変位分布、速度・変位波形)を再現した均質モデルを策定した(Tsuda・他,2023)。ただし、浅部の断層破壊挙動を再現、把握し、浅部アスペリティの影響や、深部アスペリティ位置の違いによる影響を確認する必要があることから、このモデルを基に感度解析を行った。その結果、浅部アスペリティがないケースでは、均質モデルと比較して最大すべり量に大きな差は生じないが、浅部アスペリティ近傍の地表地震断層の変位が小さくなることから、浅部アスペリティの影響は表層のごく近傍に限られる。深部アスペリティの深度が浅くなると、地表地震断層の変位量が大きくなり、最大すべり量も増大する。深部アスペリティがある程度深くなると、断層破壊領域が地表面に達せず最大すべり量・断層破壊領域ともに小さくなった。
次に媒質以外は同じ条件として、速度層構造を適用したモデルを用いて断層破壊シミュレーションを実施し、速度層の考慮の有無による影響を比較した。結果は浅部アスペリティ付近で低速度層の影響を受け地表地震断層付近に大きなすべりが発生し、断層破壊領域も大きくなった。しかし、浅部の剛性が低いため地震モーメントに大きな違いは生じなかった。断層近傍の観測地点における速度および変位波形の振幅は、低速度層の影響で大きくなり、応答波形は速度層境界による反射波の影響を受け、均質モデルのパルス性状から観測記録のような多くの振幅を含む波形となった。