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[SSS10-P24] 海山由来石灰岩の高温高圧環境下における摩擦特性
キーワード:摩擦実験、沈み込み帯、海山、石灰岩
プレート境界型地震はアスペリティの破壊によって発生するとされており、その形成要因の一つとして沈み込んだ海底地形の凹凸が挙げられる。その最も代表的なものが海山である。これまで海山は、沈み込むと固着域として作用し巨大地震を発生させる可能性(e.g., Cloos, 1992)が指摘されてきた一方、バリアとして作用し破壊伝播を抑制する可能性(e.g., Kodaira et al., 2000)も提案されている。加えて、海山が地震を起こさずクリープを起こしている可能性も指摘されている(e.g., Mochizuki et al., 2008)。また、地形的高まりだけではなく、海山表面の摩擦が海山周辺の複雑な構造形成に関わることが近年明らかになった(Okuma et al., 2022)。このように、海山の沈み込みに関する多くの研究成果が報告されているが、海山の沈み込みに関する系統的な摩擦実験は十分ではない。そこで本研究では、海山を構成する岩石を用いた実験を実施し、海山の力学的特性と地震発生の関係について検討することを試みた。
実験試料には、岐阜県根尾地域の美濃帯舟伏山ユニットに属する、ジュラ紀に付加した海山由来の石灰岩を用いた。薄片観察及びXRD分析により、使用した石灰岩は方解石(98.2 wt%)と石英(1.8 wt%)で構成されている。
実験には、産業技術総合研究所設置のガス圧式高温高圧変形試験機を使用し、封圧(Pc)150 MPa、間隙水圧(Pp)100 MPa、温度(T)20-200℃、軸変位速度0.1-100 µm/sの条件下で行った。その結果、定常摩擦係数μss は約0.70-0.80の高い値を示し、摩擦係数に温度依存性はほとんど見られなかった。また、すべりの安定性を示すパラメータa−b値は、T = 20-50℃では0.0023-0.0159の値を示し、a−b > 0の速度強化となった。さらに、T = 100℃で−0.0005-0.0026の値を示し、a−b ≈ 0の速度中性となった。a−b値は、T = 150-200℃で−0.0012-−0.0041の値を取り、a−b < 0の速度弱化へと遷移した。
150℃でa−b値が正から負に転じる特徴は、海山由来玄武岩でも同様に見られた(Sawai et al., 2024 JpGU)ことから、プレート境界に位置する海山上に石灰岩と玄武岩のどちらが存在しても、沈み込みが進行し温度が上昇するほどすべり挙動は不安定となり、地震を引き起こす可能性があると推測できる。また、石灰岩の強度(μss:0.70-0.80)は玄武岩の強度(μss:0.39-0.55)と比べて大きいことから、石灰岩と玄武岩が共存するような環境では、石灰岩より玄武岩の方が変形を担う可能性が高いと考えられる。
実験試料には、岐阜県根尾地域の美濃帯舟伏山ユニットに属する、ジュラ紀に付加した海山由来の石灰岩を用いた。薄片観察及びXRD分析により、使用した石灰岩は方解石(98.2 wt%)と石英(1.8 wt%)で構成されている。
実験には、産業技術総合研究所設置のガス圧式高温高圧変形試験機を使用し、封圧(Pc)150 MPa、間隙水圧(Pp)100 MPa、温度(T)20-200℃、軸変位速度0.1-100 µm/sの条件下で行った。その結果、定常摩擦係数μss は約0.70-0.80の高い値を示し、摩擦係数に温度依存性はほとんど見られなかった。また、すべりの安定性を示すパラメータa−b値は、T = 20-50℃では0.0023-0.0159の値を示し、a−b > 0の速度強化となった。さらに、T = 100℃で−0.0005-0.0026の値を示し、a−b ≈ 0の速度中性となった。a−b値は、T = 150-200℃で−0.0012-−0.0041の値を取り、a−b < 0の速度弱化へと遷移した。
150℃でa−b値が正から負に転じる特徴は、海山由来玄武岩でも同様に見られた(Sawai et al., 2024 JpGU)ことから、プレート境界に位置する海山上に石灰岩と玄武岩のどちらが存在しても、沈み込みが進行し温度が上昇するほどすべり挙動は不安定となり、地震を引き起こす可能性があると推測できる。また、石灰岩の強度(μss:0.70-0.80)は玄武岩の強度(μss:0.39-0.55)と比べて大きいことから、石灰岩と玄武岩が共存するような環境では、石灰岩より玄武岩の方が変形を担う可能性が高いと考えられる。