15:30 〜 15:45
[SSS11-01] グラフベース非線形次元圧縮を用いたリアルタイム震度時系列の予測の試み
キーワード:リアルタイム震度、時系列予測、グラフベース非線形次元圧縮
地震波形や地震動指標の時系列を対象とした地震動予測には地震波伝播の数値シミュレーションがこれまでよく用いられてきたが、高い計算コストが課題となっていた。近年の機械学習の発展を受け、この予測問題に対して機械学習が適用され、多くの成果が報告されている。本研究では非線形次元圧縮手法を組み合わせた予測手法を提案する。予測対象は1秒ごとの震度に相当する指標であるリアルタイム震度(功刀・ほか 2008, 2013)とした。先行研究(久保・宮本 2024 人工知能学会全国大会論文集)では、観測最大値が大きい場合に予測が過小評価となる傾向が見られ、その原因としては時系列形状と最大値の両方を同時に予測しようとしたことが考えられた。そこで本研究では、時系列形状と最大値を別々に予測するアプローチを採用することで、この過小評価の解決を図った。
ここでは単独観測点におけるリアルタイム震度時系列を震源情報に基づいて予測することを考える。まず時系列形状の予測については、先行研究(久保・宮本 2024)と同じく、非線形次元圧縮手法UMAP(Mclnnes et al. 2018)による時系列データの次元圧縮と、次元圧縮して得られる2次元座標を入力の震源情報から推定するランダムフォレスト回帰を組み合わせることで行った。UMAPはマニホールド学習とトポロジカルデータ解析の考えに基づいた非線形な次元圧縮手法である。次元圧縮時の時系列データは-3.5と各最大値を用いて正規化した。最大値の予測には、Morikawa and Fujiwara (2013)による地震動予測式とガウス過程回帰を用いたハイブリッド予測(Kubo et al. 2020; 久保・宮本 2023)を採用した。震源情報(震源距離・深さ・Mw・地震の緯度および経度)を入力として時系列形状とリアルタイム震度の最大値を別々に予測した上で、予測最大値を用いて予測時系列を非正規化することでリアルタイム震度時系列の予測を行った。
この予測手法を実記録に適用した。ここでは防災科研の強震観測網K-NET, KiK-netの観測点の一つであるK-NETつくば(IBR011)における予測を行う。1997年から2015年までの記録を訓練データに、2016年から2021年までの記録をテストデータにする。100Hzサンプリングの加速度波形記録から1秒サンプリングのリアルタイム震度を求め、ピークホールド処理を行った上で、理論P波走時の5秒前を先頭として最大120秒間を切り出した。このとき、①理論P波走時の5秒前から収録されていない記録、②理論P波到達時点でのリアルタイム震度が0を超えている記録、③リアルタイム震度時系列の最大値が1よりも小さい記録は除外した。その結果、訓練データの総数は153、テストデータの総数は59となった。イベントの震源情報には防災科学技術研究所F-netメカニズム解カタログ情報を用いた。
先行研究では大幅な過小評価となった、2021年2月13日23時8分に発生した福島県沖の地震(Mw 7.1 深さ 53km)において、提案手法は観測値により近い最大値を予測した。全体的に見ても提案手法によって大振幅時の過小評価が改善される傾向が見られた。しかしながら過小評価は完全には解消されておらず、課題が残った。また時系列形状の予測についても観測を再現できていないケースが見られた。学習データが少量であることが影響していると考えられ、経験式ベースのリアルタイム震度時系列の予測手法(久保・功刀 2022)とのハイブリッドが有望な対応策の一つと考えられる。
ここでは単独観測点におけるリアルタイム震度時系列を震源情報に基づいて予測することを考える。まず時系列形状の予測については、先行研究(久保・宮本 2024)と同じく、非線形次元圧縮手法UMAP(Mclnnes et al. 2018)による時系列データの次元圧縮と、次元圧縮して得られる2次元座標を入力の震源情報から推定するランダムフォレスト回帰を組み合わせることで行った。UMAPはマニホールド学習とトポロジカルデータ解析の考えに基づいた非線形な次元圧縮手法である。次元圧縮時の時系列データは-3.5と各最大値を用いて正規化した。最大値の予測には、Morikawa and Fujiwara (2013)による地震動予測式とガウス過程回帰を用いたハイブリッド予測(Kubo et al. 2020; 久保・宮本 2023)を採用した。震源情報(震源距離・深さ・Mw・地震の緯度および経度)を入力として時系列形状とリアルタイム震度の最大値を別々に予測した上で、予測最大値を用いて予測時系列を非正規化することでリアルタイム震度時系列の予測を行った。
この予測手法を実記録に適用した。ここでは防災科研の強震観測網K-NET, KiK-netの観測点の一つであるK-NETつくば(IBR011)における予測を行う。1997年から2015年までの記録を訓練データに、2016年から2021年までの記録をテストデータにする。100Hzサンプリングの加速度波形記録から1秒サンプリングのリアルタイム震度を求め、ピークホールド処理を行った上で、理論P波走時の5秒前を先頭として最大120秒間を切り出した。このとき、①理論P波走時の5秒前から収録されていない記録、②理論P波到達時点でのリアルタイム震度が0を超えている記録、③リアルタイム震度時系列の最大値が1よりも小さい記録は除外した。その結果、訓練データの総数は153、テストデータの総数は59となった。イベントの震源情報には防災科学技術研究所F-netメカニズム解カタログ情報を用いた。
先行研究では大幅な過小評価となった、2021年2月13日23時8分に発生した福島県沖の地震(Mw 7.1 深さ 53km)において、提案手法は観測値により近い最大値を予測した。全体的に見ても提案手法によって大振幅時の過小評価が改善される傾向が見られた。しかしながら過小評価は完全には解消されておらず、課題が残った。また時系列形状の予測についても観測を再現できていないケースが見られた。学習データが少量であることが影響していると考えられ、経験式ベースのリアルタイム震度時系列の予測手法(久保・功刀 2022)とのハイブリッドが有望な対応策の一つと考えられる。