日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS11] 強震動・地震災害

2025年5月29日(木) 15:30 〜 17:00 201B (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:久保 久彦(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、友澤 裕介(鹿島建設)、座長:長 郁夫(産業技術総合研究所)、久保 久彦(国立研究開発法人防災科学技術研究所)

15:45 〜 16:00

[SSS11-02] 強震記録の自己相関関数のケプストラムを用いたスペクトル分離解析法

*渡邉 禎貢1竹中 博士1 (1.岡山大学)


キーワード:地震動、強震動、自己相関関数

地震波形記録から地下構造を推定する手法の1つに地震波干渉法がある. 近年, 地表の1点の強震記録の自己相関関数からその観測点直下の地下構造の情報を抽出する研究が試みられている. 自己相関関数の波形は反射法地震探査におけるゼロオフセットの反射プロファイルと捉えることができ, そのシグナルは地下の地震波速度のコントラストが大きい境界からの反射波に対応する. 我々はこれまでに, 対数パワースペクトルの逆フーリエ変換から得られるケプストラム波形が高分解能な地盤構造の推定に役立つことを提案してきた(渡邉・竹中, 2024, JpGU; 2024, 地震学会; Watanabe and Takenaka, 2024, AOGS).
 強震波形は震源, 地盤, 伝播経路の3つの特性の畳み込みにより構成される. ここで自己相関解析では, 特に地盤特性の影響を抽出するためにスペクトルホワイトニング処理が実施される. この処理は強震波形のパワースペクトルをそれ自身をスムージングしたパワースペクトルで割ることにより実施されるが, この際にスムージングに用いるバンド幅は対象とする自己相関関数のシグナルがより明瞭に見えるように試行錯誤的に決定される. 本研究では, 強震波形のパワースペクトルに含まれる震源特性と伝播経路特性をそれぞれ簡単なモデルで近似し, それらをケプストラム波形から引くことによって実質的なスペクトルホワイトニング処理を試みた. 具体的には震源特性はオメガスクエアモデルを仮定し, 非弾性減衰の効果を指数関数により仮定した. ケプストラムを用いれば, 主に震源特性が低ケフレンシー側, 一方で地盤特性が高ケフレンシー側に明瞭に現れるため, それらを視覚的に容易に分離することができる.