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[SSS11-08] 石川県輪島市中心市街地における深部地盤構造把握のための微動アレイ探査
キーワード:常時微動、2024年能登半島地震、輪島市、深部地盤構造
2024年能登半島地震(Mj7.6,Mw7.5)の際,石川県輪島市では市街地(河井地区・鳳至地区)を中心に甚大な被害が生じた.市街地で実施した極小微動アレイ探査では,広範囲に渡って地表〜数10mの深さでS波速度(Vs)が200m/s未満となる軟弱〜やや軟弱な堆積層が存在する可能性が示唆されている(林田・他,2024JAEE大会).一方,市街地東側の丘陵裾に位置するK-NET輪島観測点(ISK003)では,浅部のVs値が市街地のものより大きく,本震および余震記録の地表最大速度および周期1–2秒の応答スペクトルも市街地のものと比べて下回る傾向にある.但し,観測点ISK003を堆積岩上の基準観測点として見做すことについては懐疑的な見解も示されている(川瀬・他,2024JAEE大会).当該地域における地震動の特徴を議論する上では,浅部のみならず深部地盤構造が地震動に寄与する影響を適切に把握することも重要であると考えられるため,本研究では輪島市中心市街地周辺における深部地盤構造推定のための微動アレイ探査を実施した.観測には可搬型広帯域地震計(Guralp製CMG-40T)4台および低周波数帯域まで測定可能なジオフォン4台(McSEIS-AT)を用いた.アレイ半径は110–770 mの範囲である(図1).空間自己相関法(SPAC法)により推定したRayleigh波位相速度は,市街地西側の丘陵地では0.7Hz以上の周波数帯域において市街地中央部で得られた値(堀川・他,2010)より大きくなる傾向にあるが,観測点ISK003のある市街地東側の丘陵地では,0.3–1Hzの範囲において市街地で推定された値と比べて顕著な違いは見られず,中心市街地からISK003のある東側にかけて深部地盤に大きな変化が無いことが示唆された.本発表では,これらの微動アレイ探査に加え,単点3成分の微動記録から求めた微動水平–上下動スペクトル比(MHVSR)の空間分布も検討することで,深部地盤構造の空間変化について議論する.