日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS11] 強震動・地震災害

2025年5月30日(金) 13:45 〜 15:15 コンベンションホール (CH-B) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:久保 久彦(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、友澤 裕介(鹿島建設)、座長:新井 健介(清水建設株式会社)、友澤 裕介(鹿島建設)

13:45 〜 14:00

[SSS11-18] 経験的グリーン関数法を用いた2022年3月16日福島県沖の地震の強震動生成域の再検討

*新井 健介1田中 信也2、荒井 達朗3 (1.清水建設株式会社、2.東電設計株式会社、3.東北電力株式会社)

キーワード:2022年3月16日福島県沖の地震、経験的グリーン関数法

2022年3月16日に福島県沖で発生したスラブ内地震(Mw7.4)について、著者らは経験的グリーン関数法を用いて強震動生成域(以下、SMGA)の推定を実施した。その結果、岩手県から福島県の広域の観測記録を概ね再現可能なSMGAモデルを構築することができた。しかしながら、詳細に見ると福島県の観測点の再現性がやや低い等の課題があった。
また、Kobayashi et al. (2023)では、本地震について強震動、遠地地震、測地データを用いたジョイントインバージョンを実施しているが、本地震では複数の断層面が複雑に破壊した地震であると報告されている。
これらを踏まえて、本稿では、新井・他(2022)をベースにSMGAモデルの再検討を実施した。まず、福島県の観測点の再現性を向上させるため、経験的グリーン関数として用いる小地震を再検討した。また、震源断層の複雑さを踏まえて複数の小地震を経験的グリーン関数として用いることとした。これらの小地震を用いて、経験的グリーン関数法により、SMGAの応力降下量、ライズタイム、破壊開始点、破壊伝播速度を試行錯誤で決定した。なお、SMGAの個数、面積、位置については、新井・他(2022)のSMGAモデルがKobayashi et al. (2023)による震源モデルのすべり量が大きい領域と調和的であったため変更しなかった。決定したSMGAモデルによる地震動評価は新井・他(2022)で再現性が低かった福島県の観測点も含めて広域で観測記録を良好に再現できた。また、SMGAモデルの短周期レベル及びSMGA面積については、笹谷・他(2006)と同程度となった。
参考文献
新井・他 (2022):経験的グリーン関数法を用いた2022年3月16日福島県沖の地震の強震動生成域の推定, 日本地震工学会第17回年次大会梗概集, TS_20220055.
Kobayashi et al. (2023): Rupture processes of the 2021 and 2022 Fukushima-oki earthquakes: adjacent events on the complex fault system in the subducting slab. Earth Planets Space 75, 81.
笹谷・他 (2006): スラブ内地震の震源特性, 北海道大学地球物理学研究報告, 69, 123-134.