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[SSS11-P02] 2024年能登半島地震における局所的地震動増幅
キーワード:2024年能登半島地震、微動アレイ探査、地盤増幅
2024年1月1日16時10分,石川県能登地方においてマグニチュード7.6の地震が発生した.本震では最大震度7が記録された .本研究では,この地震において特に大きな加速度が観測され,本震で震度7を記録した志賀町富来地区のK-NET ISK006観測点及びその周辺観測点の記録の整理と増幅特性の検討を行った.
富来地区には3つの観測点(K-NET ISK006,KiK-net ISKH04,気象庁 JMA914)が設置されており,本震の最大加速度(PGA)はそれぞれ2.6×10³gal,452gal,427galとISK006で非常に大きい.一方最大速度は65cm/s,83cm/s,68cm/sと,それほど大きな差は見られない.同様に,1/6 23:20の地震(M4.3)においてもISK006ではPGA1.2×10³gal,震度6弱を観測したが,ISKH04ではPGA22gal,震度3であり,ISK006での加速度が非常に大きい.これらの観測点は最大4km程度しか離れていない.
能登半島周辺で発生した29地震の地震動記録を対象に,フーリエスペクトルを求め,ISKH04に対するISK006やJMA914でのフーリエスペクトルの比を求めた.その結果,ISK006では4-7Hzで最大で約280倍もの大きな振幅の比が見られた.このスペクトル比の特徴は震源の方角と関連が見られたので,求めたスペクトル比の4-7 Hzの対数平均を求め,ISK006から見た震源の方位で整理した.この時,観測点間の震源距離の違いによる振幅への影響は実体波を仮定して補正した.これにより得られた4-7Hzの対数平均スペクトル比は,ISK006から見て東側の震源の記録において2.2倍程度であった一方で,N58°W以西の震源で顕著な増幅が見られた.西側の震源において4-7Hzにおける比は最大で46倍に達し,またEW成分において比が大きかった.これは単なる観測点間の震源距離の違いでは説明できない.
この地震動増幅の原因を調査するため,ISK006において微動アレイ探査を実施した.得られた観測データをもとに,J-SHISモデルの表層部分を修正した地盤構造モデルを作成した.結果,ISK006の表層は層厚8m ,Vs=278m/sで,その下にVs>1 km/sの層が存在することが明らかになった.このISK006における修正モデルを用い,ISK006に対するISKH04の理論増幅を水平成層構造へのS波入射を仮定して計算したところ,4-7Hzにおける対数平均増幅率が2.1倍となり,顕著な増幅が見られなかった東側に震源を持つ地震における観測結果との整合性が向上し,増幅を再現できた.一方で,顕著な増幅が見られた西側に震源を持つ地震については増幅を再現できなった.
西側の震源に対する顕著な増幅の原因については今後の研究課題であるが,観測点近傍の何らかの不整形構造などにより方位依存性が生じていることなどが予想される.
謝辞:観測にあたって京都大学浅野公之教授に機材のご協力をいただきました.本研究は東京大学地震研究所・京都大学防災研究所,拠点間連携共同研究プログラムの援助をうけました.記して感謝します.
富来地区には3つの観測点(K-NET ISK006,KiK-net ISKH04,気象庁 JMA914)が設置されており,本震の最大加速度(PGA)はそれぞれ2.6×10³gal,452gal,427galとISK006で非常に大きい.一方最大速度は65cm/s,83cm/s,68cm/sと,それほど大きな差は見られない.同様に,1/6 23:20の地震(M4.3)においてもISK006ではPGA1.2×10³gal,震度6弱を観測したが,ISKH04ではPGA22gal,震度3であり,ISK006での加速度が非常に大きい.これらの観測点は最大4km程度しか離れていない.
能登半島周辺で発生した29地震の地震動記録を対象に,フーリエスペクトルを求め,ISKH04に対するISK006やJMA914でのフーリエスペクトルの比を求めた.その結果,ISK006では4-7Hzで最大で約280倍もの大きな振幅の比が見られた.このスペクトル比の特徴は震源の方角と関連が見られたので,求めたスペクトル比の4-7 Hzの対数平均を求め,ISK006から見た震源の方位で整理した.この時,観測点間の震源距離の違いによる振幅への影響は実体波を仮定して補正した.これにより得られた4-7Hzの対数平均スペクトル比は,ISK006から見て東側の震源の記録において2.2倍程度であった一方で,N58°W以西の震源で顕著な増幅が見られた.西側の震源において4-7Hzにおける比は最大で46倍に達し,またEW成分において比が大きかった.これは単なる観測点間の震源距離の違いでは説明できない.
この地震動増幅の原因を調査するため,ISK006において微動アレイ探査を実施した.得られた観測データをもとに,J-SHISモデルの表層部分を修正した地盤構造モデルを作成した.結果,ISK006の表層は層厚8m ,Vs=278m/sで,その下にVs>1 km/sの層が存在することが明らかになった.このISK006における修正モデルを用い,ISK006に対するISKH04の理論増幅を水平成層構造へのS波入射を仮定して計算したところ,4-7Hzにおける対数平均増幅率が2.1倍となり,顕著な増幅が見られなかった東側に震源を持つ地震における観測結果との整合性が向上し,増幅を再現できた.一方で,顕著な増幅が見られた西側に震源を持つ地震については増幅を再現できなった.
西側の震源に対する顕著な増幅の原因については今後の研究課題であるが,観測点近傍の何らかの不整形構造などにより方位依存性が生じていることなどが予想される.
謝辞:観測にあたって京都大学浅野公之教授に機材のご協力をいただきました.本研究は東京大学地震研究所・京都大学防災研究所,拠点間連携共同研究プログラムの援助をうけました.記して感謝します.