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[SSS11-P13] 重力探査に基づく中央構造線三野断層とその周辺における地下構造推定
キーワード:重力異常、密度構造、三野断層、中央構造線
中央構造線断層系の三野断層とその周辺において,断層近傍における地下構造を把握するために重力探査を実施した.三野断層は長さ13.5kmで,徳島県北部地域を吉野川の北縁に沿って伸びている.河内谷川の東岸の断層沿いにガウジが露頭している地点がある.また,三野断層は横ずれ断層と推定されており,断層に沿って破砕帯が広く,多量の断層粘土の分布が確認されている.重力測定には,ラコスト・ロンバーグ重力計を2 台を使用し,同一点で2回の測定値の差が 10μGal 以内となるように98地点で測定を実施した.観測点の位置測定には,Trimble R2 GNSS受信機を使用し,位置の決定精度は,水平10mm,鉛直 20mmで得られている.既往の観測点を含めて合計180地点の測定値を使用し,各種補正を行い,仮定密度2.33g/cm³として重力異常を求めた.重力異常の特徴としては,吉野川北側で低異常領域,南側で高重力領域が分布することがわかった.北西部の低重力異常域に関しては,砂岩泥岩互層(和泉層群)で構成されている地質帯で基盤面が深くなっていることが考えられる.南東側の高重力異常域に関しては,吉野川を挟んだ南側の対岸には苦鉄質片岩や石英片岩(三波川変成帯)などの密度の高い変成岩の地質帯が広がっているためそれを反映していると考えられる.さらに,表層2.00 g/cm³,基盤層2.33 g/cm³の3次元解析の解析を行い,基盤深度を推定した.その結果,断層線付近で基盤の落差が60~150m程度となることがわかった.これは,断層付近で褶曲,もしくは段差差があることを示唆している.ただし,三野断層は横ずれ型とされており,破砕帯の存在により断層付近が低密度になっていて,それにより重力異常が低下していることも予想される.今後は多層モデルによる解析を行い,微動探査などの結果を含めて総合的に評価していく予定である.