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[SSS12-08] 能登半島地震余震に見られる非ダブルカップル成分:初動発震機構解推定に及ぼす影響
キーワード:2024年能登半島地震、モーメントテンソルインバージョン、非ダブルカップル成分、短周期海底地震計
モーメントテンソル解は、地震の発生様式や断層面の形状を推定するための重要なツールである。多くの中小規模の地震については、断層すべりが純粋なせん断すべりで近似できるため、モーメントテンソル解の非ダブルカップル(非DC)成分は、解析上の誤差とみなされるか、または存在しないものと仮定されることが多かった。しかし、非DC成分を利用して震源過程の複雑さや構造の不均質性を推定する研究も行われている。
2024年の能登半島地震では、本震の約2週間後から、短周期海底地震計(4.5 Hz速度計)を用いて海域での余震活動が観測された。Shinohara et al. (2025, submitted to EPS)では、これらの観測データを用いてP波初動の極性を解析し、余震の発震機構解を推定した。その結果、多くの余震で横ずれ断層型の発震機構解が得られた。一方、F-netのルーティン解析で得られたモーメントテンソル解(以下、F-net解)は、逆断層型が多く報告されており、両者の結果は整合していない。
本研究では、短周期海底地震計で記録されたP波の極性と振幅を用いてモーメントテンソル解を推定し、初動発震機構解とF-net解の差が非DC成分に起因することを明らかにした。まず、798個の余震イベントについてP波初動の振幅を測定し、サイト特性や減衰の影響を統計的に補正した。その後、補正後の振幅と初動極性を入力として、マルコフ連鎖モンテカルロ法に基づくベイズ・インバージョンを実施した。その結果、多くのイベントで正の等方成分(体積膨張)および負のCLVD成分(圧力軸が対称軸となる向き)を含む逆断層型のモーメントテンソル解が得られた。また、このようなイベントに対して非DC成分を考慮せず、初動極性のみで発震機構解を推定した場合、横ずれ断層型の解が得られることも分かった。
正の等方成分と負のCLVD成分を併せ持つモーメントテンソル解は、単純なクラックの開口・閉口では説明が難しく、その原因は現時点ではわかっていない。可能性として、断層面形状の複雑性や構造の異方性などが挙げられる。また、非DC成分の卓越が本余震系列に特有の現象なのか、地域・時期を問わず普遍的な性質なのかを明らかにするため、さらなる解析が必要である。
2024年の能登半島地震では、本震の約2週間後から、短周期海底地震計(4.5 Hz速度計)を用いて海域での余震活動が観測された。Shinohara et al. (2025, submitted to EPS)では、これらの観測データを用いてP波初動の極性を解析し、余震の発震機構解を推定した。その結果、多くの余震で横ずれ断層型の発震機構解が得られた。一方、F-netのルーティン解析で得られたモーメントテンソル解(以下、F-net解)は、逆断層型が多く報告されており、両者の結果は整合していない。
本研究では、短周期海底地震計で記録されたP波の極性と振幅を用いてモーメントテンソル解を推定し、初動発震機構解とF-net解の差が非DC成分に起因することを明らかにした。まず、798個の余震イベントについてP波初動の振幅を測定し、サイト特性や減衰の影響を統計的に補正した。その後、補正後の振幅と初動極性を入力として、マルコフ連鎖モンテカルロ法に基づくベイズ・インバージョンを実施した。その結果、多くのイベントで正の等方成分(体積膨張)および負のCLVD成分(圧力軸が対称軸となる向き)を含む逆断層型のモーメントテンソル解が得られた。また、このようなイベントに対して非DC成分を考慮せず、初動極性のみで発震機構解を推定した場合、横ずれ断層型の解が得られることも分かった。
正の等方成分と負のCLVD成分を併せ持つモーメントテンソル解は、単純なクラックの開口・閉口では説明が難しく、その原因は現時点ではわかっていない。可能性として、断層面形状の複雑性や構造の異方性などが挙げられる。また、非DC成分の卓越が本余震系列に特有の現象なのか、地域・時期を問わず普遍的な性質なのかを明らかにするため、さらなる解析が必要である。