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[SSS12-17] 2021・2022年M7福島県沖スラブ内震源域における地震活動の時空間変化

キーワード:スラブ内地震、余震分布、クラスタ分析、DBSCAN
2011年東北地方太平洋沖地震(以下,東北沖地震)の発生から10年後となる2021年以降,福島県沖の太平洋スラブ内においてM7級の大地震が2度発生した.1度目は2021年2月13日のM7.3の地震で,2度目は 2022年3月16日の M7.4地震である.2つの地震は非常に近接した場所で始まり,それぞれ南側と北側の領域を破壊した.東北沖地震とその余効変動の影響下で発生したと考えられる2度のM7地震は,東北地方の広い範囲で強い揺れによる被害をもたらした.特筆すべき点として,東北沖地震の本震発生域の西側(深部側)延長上のスラブ内では,東北沖地震の発生直後から地震活動が活発化していた点がある(Kato and Igarashi, 2012).特に,これら2つのM7級地震が発生した福島県沖のスラブ内では,顕著な地震活動の活発化が見られていた.本研究は,これら2つのM7地震の震源断層上および周辺のスラブ内地震活動の時空間変化の様相を詳細に解析することを通して,プレート境界地震とスラブ内地震,およびスラブ内地震同士の相互作用を明らかにすることを目的とする.そのために,東北沖地震前から東北沖地震後(2003年3月から2023年7月)にわたる地震活動の特徴を,2つのM7地震の断層面モデルを参照して検討を行った.
解析対象とする地震は気象庁一元化カタログに掲載されているM2以上の地震で,2003年3月8日から2023年7月10日までのものである.震源はDouble-difference法 (Waldhauser and Ellsworth 2000) によって再決定した.その際に波形相関により測定された到達時刻差データも使用した.得られた震源分布に対してOsawa et al. (2024, SSJ) と同様のクラスタ分析を行うことによって,震源が集中する面構造を同定した.これらが主要な地震時に破壊された断層面に対応すると解釈して,面状クラスタに属する震源の分布に平面をあてはめることにより,2つのM7地震の震源断層に対応する6枚の断層面モデルを作成した.4枚の断層面モデルが2021年M7.3地震の震源断層に,残りの2枚のモデルが2022年M7.4地震の震源断層に対応する.また,東北沖地震発生から約半年後に発生した2011年8月19日M6.5福島県沖スラブ内地震に対応する断層面モデルも,この地震の余震が形成する面状クラスタから得ることができた.
得られた断層面モデルをもとに,東北沖地震以前からの地震活動の時空間変化を調べた.2021年M7.3地震の震源断層上では,本震の破壊に先行する顕著な地震活動は確認されなかった.これに対し,2022年M7.4地震の震源断層では,2枚の断層面上で本震に先行する地震活動が確認された.このうち,M7.4地震の破壊の開始点を含む断層面上では,2021年M7.3地震直後には地震活動が始まっており、もう1枚の断層上(以下,断層6)でも,東北沖地震が発生した直後から地震活動が活発化していたことがわかった.断層6上の東北沖地震後に地震活動が活発化した領域は,断層のdown-dip側とup-dip側の縁に集中しており,M7.4地震後に余震が密集して発生した領域とほぼ重なった.断層6のdown-dip側の活動集中域は,2つのM7地震が起こる前の期間 (2003年3月8日から2021年2月13日)から存在していた別の面状クラスタと交差している.
M7.4地震時に破壊が起こった2つの断層の一方である断層6の上端付近では,M7.4本震直後から群発的な地震活動が始まっている.この地震活動がみられるのは,断層6とプレート境界面とが交差する位置に近いことから,M7.4スラブ内地震を契機としてプレート境界面上でのすべりが加速したことにより誘発されたプレート境界での地震活動が含まれている可能性がある.
解析対象とする地震は気象庁一元化カタログに掲載されているM2以上の地震で,2003年3月8日から2023年7月10日までのものである.震源はDouble-difference法 (Waldhauser and Ellsworth 2000) によって再決定した.その際に波形相関により測定された到達時刻差データも使用した.得られた震源分布に対してOsawa et al. (2024, SSJ) と同様のクラスタ分析を行うことによって,震源が集中する面構造を同定した.これらが主要な地震時に破壊された断層面に対応すると解釈して,面状クラスタに属する震源の分布に平面をあてはめることにより,2つのM7地震の震源断層に対応する6枚の断層面モデルを作成した.4枚の断層面モデルが2021年M7.3地震の震源断層に,残りの2枚のモデルが2022年M7.4地震の震源断層に対応する.また,東北沖地震発生から約半年後に発生した2011年8月19日M6.5福島県沖スラブ内地震に対応する断層面モデルも,この地震の余震が形成する面状クラスタから得ることができた.
得られた断層面モデルをもとに,東北沖地震以前からの地震活動の時空間変化を調べた.2021年M7.3地震の震源断層上では,本震の破壊に先行する顕著な地震活動は確認されなかった.これに対し,2022年M7.4地震の震源断層では,2枚の断層面上で本震に先行する地震活動が確認された.このうち,M7.4地震の破壊の開始点を含む断層面上では,2021年M7.3地震直後には地震活動が始まっており、もう1枚の断層上(以下,断層6)でも,東北沖地震が発生した直後から地震活動が活発化していたことがわかった.断層6上の東北沖地震後に地震活動が活発化した領域は,断層のdown-dip側とup-dip側の縁に集中しており,M7.4地震後に余震が密集して発生した領域とほぼ重なった.断層6のdown-dip側の活動集中域は,2つのM7地震が起こる前の期間 (2003年3月8日から2021年2月13日)から存在していた別の面状クラスタと交差している.
M7.4地震時に破壊が起こった2つの断層の一方である断層6の上端付近では,M7.4本震直後から群発的な地震活動が始まっている.この地震活動がみられるのは,断層6とプレート境界面とが交差する位置に近いことから,M7.4スラブ内地震を契機としてプレート境界面上でのすべりが加速したことにより誘発されたプレート境界での地震活動が含まれている可能性がある.