日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS12] 地震活動とその物理

2025年5月28日(水) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:千葉 慶太(公益財団法人 地震予知総合研究振興会)、吉光 奈奈(京都大学)

17:15 〜 19:15

[SSS12-P10] 2024年能登半島地震震源域での稠密海底地震観測に基づく震源メカニズム推定

*高橋 努1藤江 剛1野 徹雄1篠原 雅尚2山田 知朗2悪原 岳2 (1.国立研究開発法人海洋研究開発機構、2.東京大学地震研究所)

2024年能登半島地震の震源域は能登半島西方から能登半島北東沖まで約150kmの範囲に広がり,現在でも震源域の全域で活発な地震活動が継続している.海域における詳細な震源分布の解明や地震活動の推移把握のため,JAMSTECと全国の大学では合同の海底地震観測を2024年1月中旬から約1年間実施してきた.2024年6月から9月は80台の海底地震計(OBS)が設置され,そのうち40台は屈折法地震探査のため2km間隔で直線上に設置された(野・他,2025,JpGU).本研究では,震源域に最も多くの海底地震計が設置された6~9月の海底地震計記録を用い,震源再決定と震源メカニズムの推定を行った.
本研究では,手動検測したP波・S波の到達時刻を用いて震源再決定を行い,その震源情報に基づきP波初動極性を用いて震源メカニズムを推定した.2km間隔の観測点により多くの地震で節面の位置を精度良く推定することができ,構造探査測線付近のM2.4以上の地震では,逆断層型だけではなく横ずれ型,正断層型の様々な震源メカニズムが推定された.逆断層型の地震の一部では,非ダブルカップル(DC)成分を考慮することでより多くの観測点の初動極性を説明できる事例もあった.またDC成分のみを仮定した解析では,探査測線上のOBSで観測された明瞭な初動データの多くが節面付近に分布し,DC成分だけでは振幅と極性を同時に説明することが難しい事例も確認された.
2024年1月から2月の海底地震観測でも震源域北東部では横ずれ型が多く推定され,非DC成分が影響している可能性が指摘されている(Shinohara et al. under review).これらの地震について,P波振幅を用いた非DC成分の影響の検証も進められている(悪原・他, 2025,JpGU).本研究でも非DC成分の寄与が考えられる極性分布が多く観測されたが,DC成分のみを仮定した解析で横ずれ型と推定された地震の中には,非DC成分を含む逆断層型では極性分布を説明することが難しい事例もあった.今後,P波やS波の振幅情報なども活用し,震源メカニズムや非DC成分の寄与をより詳細に検討していくことが重要と考えられる.