14:45 〜 15:00
[STT40-05] 火山観測用可搬型レーダー干渉計(SCOPE)の開発:富士山、桜島における計測実験
キーワード:合成開口レーダー、火山観測用可搬型レーダー干渉計、桜島、富士山
次世代火山研究推進事業課題Bサブテーマ2においては、地上からレーダー波を照射して、地殻変動を計測するレーダー干渉計(センサー名:SCOPE)を開発している。特に、SCOPEは、従来の固定型のレーダー干渉計のようなレールを用いた観測方式だけでなく、車両や台車に搭載する観測方式や、軽量化のための簡易的なレールで観測する手動方式など、観測場所の状況に適した観測方式を選択して、多様な場所での機動的な観測を可能とする仕様とした。また、レールを用いない観測においては、非直線軌道による観測となるが、GNSSにより得られる軌道情報を用いて解析上で補正することにより、毎回同じ直線軌道で観測した場合の画像を生成する方式を取り入れ、簡便に繰り返し観測を行うことを可能とした。また、システムノイズを低減する改良、気象モデルの解析値を用いた大気ノイズの低減手法を解析に組み込む等の改良を進め、吾妻山や十勝岳、雲仙岳等における観測では、火山活動に伴う地殻変動や溶岩ドームの変形などを捉えることに成功した。このように、SCOPEの有効性が確認されたことから、今後、SCOPEは、噴火発生時等において、機動的に地殻変動を計測するツールの一つとして活用する予定である。そのような機動観測への活用に向け、長距離観測の可能性に関する実証、緊急時等に実施する集中観測に関する課題調査のための実験観測を行った。本発表においては、これらの実験観測の結果について報告する。
長距離観測の可能性に関する実証においては、富士山を対象として、観測地点から10 km以上離れた場所の観測を実施し、干渉が得られるかを調査した。SCOPEの開発当初においては、4 km先で、約50 mの空間分解能が得られる仕様として、10 mの合成開口長で観測することを基本としていた。より遠方では空間分解能は劣化するが、車載方式や台車方式を用いることにより、より長い合成開口長で観測することが可能であることが実証されたことから、より遠方からの観測でも十分な空間分解能が得られる可能性が示唆された。そこで、富士山を対象として、車載方式を用いて20 m超の合成開口長で観測することにより、10 km先の観測が可能かを確かめた。観測は2024年10月4日の午前と午後に実施した。午前は降雨が強い天候あったが、観測地点から10 km超の富士山山頂付近の画像も得ることができた。午後には降雨は弱まり、午前と同様の観測結果を得た。午前と午後で得られたデータペアについて干渉処理を適用したところ、10 km付近においても干渉が得られることを確認した。数時間程度しか離れていないデータペアとしては、干渉性が低い結果であったが、それが観測限界によるものか、もしくは、降雨やマルチパス等による、他の影響によるものかは、さらなる検討を要する。
噴火の切迫性が高まった状況においては、短期間に集中的な観測を実施する場合が考えられる。そのような集中的な観測の実施において、どのような課題があるかを明らかにするため、桜島を対象とし、5日間連続で3地点での1日1回の観測を実施した。その1か所においては、より高い時間分解能で地殻変動を計測するため、固定型のレーダー干渉計(GAMMA GPRI2)を設置し、5分毎の観測を実施した。SCOPEの観測に関しては、これまでの観測の効率化に関する検討の成果により、3ヶ所での1日1回の観測を問題なく実施することができた。また、観測期間中には噴火が発生し、観測場所でも降灰があったが、そのような場所でも観測することが可能であり、さらには降灰による干渉性の劣化は顕著には見られなかった。このことから、噴火発生時の観測にもSCOPEは活用可能であることが示された。一方、緊急時には即時的に解析を行い、観測結果を即時的に共有していくことが必要と考えるが、今回の観測においては、解析にはかなりの時間を要し、観測結果を公開するまでに3日を要した。解析時間の短縮については、今後、解決すべき課題である。地殻変動については、これからさらなる解析をすすめ、調査する予定である。
長距離観測の可能性に関する実証においては、富士山を対象として、観測地点から10 km以上離れた場所の観測を実施し、干渉が得られるかを調査した。SCOPEの開発当初においては、4 km先で、約50 mの空間分解能が得られる仕様として、10 mの合成開口長で観測することを基本としていた。より遠方では空間分解能は劣化するが、車載方式や台車方式を用いることにより、より長い合成開口長で観測することが可能であることが実証されたことから、より遠方からの観測でも十分な空間分解能が得られる可能性が示唆された。そこで、富士山を対象として、車載方式を用いて20 m超の合成開口長で観測することにより、10 km先の観測が可能かを確かめた。観測は2024年10月4日の午前と午後に実施した。午前は降雨が強い天候あったが、観測地点から10 km超の富士山山頂付近の画像も得ることができた。午後には降雨は弱まり、午前と同様の観測結果を得た。午前と午後で得られたデータペアについて干渉処理を適用したところ、10 km付近においても干渉が得られることを確認した。数時間程度しか離れていないデータペアとしては、干渉性が低い結果であったが、それが観測限界によるものか、もしくは、降雨やマルチパス等による、他の影響によるものかは、さらなる検討を要する。
噴火の切迫性が高まった状況においては、短期間に集中的な観測を実施する場合が考えられる。そのような集中的な観測の実施において、どのような課題があるかを明らかにするため、桜島を対象とし、5日間連続で3地点での1日1回の観測を実施した。その1か所においては、より高い時間分解能で地殻変動を計測するため、固定型のレーダー干渉計(GAMMA GPRI2)を設置し、5分毎の観測を実施した。SCOPEの観測に関しては、これまでの観測の効率化に関する検討の成果により、3ヶ所での1日1回の観測を問題なく実施することができた。また、観測期間中には噴火が発生し、観測場所でも降灰があったが、そのような場所でも観測することが可能であり、さらには降灰による干渉性の劣化は顕著には見られなかった。このことから、噴火発生時の観測にもSCOPEは活用可能であることが示された。一方、緊急時には即時的に解析を行い、観測結果を即時的に共有していくことが必要と考えるが、今回の観測においては、解析にはかなりの時間を要し、観測結果を公開するまでに3日を要した。解析時間の短縮については、今後、解決すべき課題である。地殻変動については、これからさらなる解析をすすめ、調査する予定である。