15:45 〜 16:00
[STT42-08] 光ファイバDASと微動探査による地盤モニタリング手法の開発(その3)
キーワード:光ファイバ、DAS、微動探査、地盤
大都市が立地する堆積平野の地盤リスク評価手法の高度化を目指し、光ファイバDASと微動探査の融合による高密度・高精度な広域での詳細地盤モニタリングのための基礎的・基盤的な技術開発を2022年度から2024年度の3年間にわたり実施した。具体的には、光ファイバDASによる地盤振動の高密度計測、微動探査や地震波干渉法と融合した解析手法の開発、及び、長期間連続モニタリング技術に関しての検討を実施した。
つくば市内のテストサイトにおいて光ファイバDASによる地盤振動計測を行った。異なる3つのインテロゲータを用いて、シングルモード4種類とマルチモード1種類の合計5種類のファイバケーブルを用いて測定を行った。かけや起振及び常時微動の振動計測結果は、いずれのケーブル・インテロゲータにおいても,振幅スペクトル及び位相特性に大きな差がないことが確認された。また、微動計の記録を用いて計算されたひずみ速度との比較から、周波数2Hz程度以上の帯域において振幅及び位相スペクトルがよく一致していることが確認された。これらの結果から、対象周波数帯域は2Hz程度以上であるが、光ファイバDAS計測により微動計を用いた場合と同じ精度で表層地盤の速度構造を把握することが可能であることが示された。
国道6号(測線長56.6㎞)および50号(測線長62.8㎞)において供用中の光ファイバケーブルを用いて地盤振動計測を行った。2023年度はダイナミックレンジの広い計測モード(Mode8、Sintela社製ONYX)、2024年度は低周波数の感度を高めた計測モード(Mode9、Sintela社製ONYX peta)を用いて計測を行った。Mode9を用いた計測によりMode8では測定できなかった40㎞以上の距離において微動のひずみ速度を測定することができた。観測されたひずみ速度データを用いた地震波干渉法により表面波の位相速度を求め、深度80m程度以浅のS波速度構造を推定した。既存の小規模微動探査データと概ね対応した表面波の位相速度を推定することができ、J-SHISのAVS30とも整合的な結果を得ることができた。DAS計測により光ファイバ沿いの浅部地盤構造を高密度高精度で推定できた。また、国道近傍に設置した微動計により計測された上下動の速度波形とファイバDASによるひずみ速度を用いた地震波干渉法からも明瞭な表面波の位相速度を推定することができ、ファイバ沿いだけでなく、2次元の計測に応用可能であることを確認できた。
深度1648mのHi-net観測点(真岡)を用いた孔中計測や相模湾に設置された光ファイバケーブルを用いた計測(測線長約65㎞)を行い、地震動を観測した。様々な条件における計測に応用可能であり、孔内の詳細速度構造の推定や海底面の地盤構造探査、海底ファイバケーブルの設置状況のモニタリング等にも応用できることが確認できた。
長期間およびリアルタイムモニタリングを可能とすることを目的とし、現地の計測サイトにて稼働させるエッジ処理を行うプロトタイプシステムを開発した。光ファイバDAS計測ではデータサイズが膨大となる課題があり、現地で行われるエッジ処理にてデータ量の削減と特徴量の抽出を自動で行うことにより、データセンタへの転送量を低減し、かつ地盤の状況把握が可能となる。本システムの実用性を評価するため、試験サイトにてインテロゲータ(Mode9、Sintela社製ONYX peta)を用いて運用環境を想定した実証実験を行った。インテロゲータからの入力として分単位のファイルベース方式および秒単位のTCPソケット方式の2方式を対象とし、計測データ(ファイバ長は約1000m、サンプリング周波数500Hz)に対し評価を行った結果、エッジ処理ではリアルタイムかつ継続稼働が確認できた。また光ファイバDASを活用した面的なF-K解析等の地盤解析手法も検討し、稠密かつリアルタイムな地盤解析に対する有効性の評価を実施した。
謝辞:本研究は、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度 Grant Number JPJ004596 の一環として行われた。国道沿いでの観測に際しては、国土交通省関東地方整備局常陸河川国道事務所にご協力頂いた。
つくば市内のテストサイトにおいて光ファイバDASによる地盤振動計測を行った。異なる3つのインテロゲータを用いて、シングルモード4種類とマルチモード1種類の合計5種類のファイバケーブルを用いて測定を行った。かけや起振及び常時微動の振動計測結果は、いずれのケーブル・インテロゲータにおいても,振幅スペクトル及び位相特性に大きな差がないことが確認された。また、微動計の記録を用いて計算されたひずみ速度との比較から、周波数2Hz程度以上の帯域において振幅及び位相スペクトルがよく一致していることが確認された。これらの結果から、対象周波数帯域は2Hz程度以上であるが、光ファイバDAS計測により微動計を用いた場合と同じ精度で表層地盤の速度構造を把握することが可能であることが示された。
国道6号(測線長56.6㎞)および50号(測線長62.8㎞)において供用中の光ファイバケーブルを用いて地盤振動計測を行った。2023年度はダイナミックレンジの広い計測モード(Mode8、Sintela社製ONYX)、2024年度は低周波数の感度を高めた計測モード(Mode9、Sintela社製ONYX peta)を用いて計測を行った。Mode9を用いた計測によりMode8では測定できなかった40㎞以上の距離において微動のひずみ速度を測定することができた。観測されたひずみ速度データを用いた地震波干渉法により表面波の位相速度を求め、深度80m程度以浅のS波速度構造を推定した。既存の小規模微動探査データと概ね対応した表面波の位相速度を推定することができ、J-SHISのAVS30とも整合的な結果を得ることができた。DAS計測により光ファイバ沿いの浅部地盤構造を高密度高精度で推定できた。また、国道近傍に設置した微動計により計測された上下動の速度波形とファイバDASによるひずみ速度を用いた地震波干渉法からも明瞭な表面波の位相速度を推定することができ、ファイバ沿いだけでなく、2次元の計測に応用可能であることを確認できた。
深度1648mのHi-net観測点(真岡)を用いた孔中計測や相模湾に設置された光ファイバケーブルを用いた計測(測線長約65㎞)を行い、地震動を観測した。様々な条件における計測に応用可能であり、孔内の詳細速度構造の推定や海底面の地盤構造探査、海底ファイバケーブルの設置状況のモニタリング等にも応用できることが確認できた。
長期間およびリアルタイムモニタリングを可能とすることを目的とし、現地の計測サイトにて稼働させるエッジ処理を行うプロトタイプシステムを開発した。光ファイバDAS計測ではデータサイズが膨大となる課題があり、現地で行われるエッジ処理にてデータ量の削減と特徴量の抽出を自動で行うことにより、データセンタへの転送量を低減し、かつ地盤の状況把握が可能となる。本システムの実用性を評価するため、試験サイトにてインテロゲータ(Mode9、Sintela社製ONYX peta)を用いて運用環境を想定した実証実験を行った。インテロゲータからの入力として分単位のファイルベース方式および秒単位のTCPソケット方式の2方式を対象とし、計測データ(ファイバ長は約1000m、サンプリング周波数500Hz)に対し評価を行った結果、エッジ処理ではリアルタイムかつ継続稼働が確認できた。また光ファイバDASを活用した面的なF-K解析等の地盤解析手法も検討し、稠密かつリアルタイムな地盤解析に対する有効性の評価を実施した。
謝辞:本研究は、防衛装備庁安全保障技術研究推進制度 Grant Number JPJ004596 の一環として行われた。国道沿いでの観測に際しては、国土交通省関東地方整備局常陸河川国道事務所にご協力頂いた。