日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-TT 計測技術・研究手法

[S-TT43] 最先端ベイズ統計学が拓く地震ビッグデータ解析

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:長尾 大道(東京大学地震研究所)、加藤 愛太郎(東京大学地震研究所)、矢野 恵佑(統計数理研究所)、椎名 高裕(産業技術総合研究所)

17:15 〜 19:15

[STT43-P02] 深層学習モデルを基礎にした複数観測点地震検出手法の稠密地震観測網データへの応用

*徳田 智磯1関根 秀太郎2阿部 信太郎2平田 直1長尾 大道1 (1.東京大学地震研究所、2.公共財団法人地震予知総合研究振興会)

キーワード:地震波検出、複数観測点、深層学習

近年、従来のSTA/LTA法に代わる地震検出法として深層学習に基づく検出手法が注目されている。ニューラルネットワークのもつ優れた表現能力によって、深層学習モデルは的確に波形データの特徴を捉え、精度よく地震を検出することができる。深層学習モデルを用いた地震検出のさらなる拡張として、複数観測点で得られた波形データに対する適用が考えられる。複数観測点で得られた波形データを相補的に活用することにより、地震検出能力がさらに向上するものと期待される。複数観測点の波形データから地震を検出する一般的な方法は、観測点ごとにP波、S波到達時間を評価し、検出結果を矛盾なく説明する震源をグリッドサーチによって精査する手法である。こうした手法は深層学習モデルによる地震検出結果に対しても適用することが可能であり、様々な調査・研究で用いられている。しかし、このようなグリッドサーチによる相組み合わせ探索を効果的に行うには、時間窓内のP波、S波検出数の閾値、グリッドサイズ等を適切に設定する必要があり、その設定は必ずしも容易ではない。本研究では、グリッドサーチを用いることなく、複数の観測点から得られる地震検出結果を簡素でかつ効果的に組み合わせて、地震検出を行う。具体的には、時間窓に対して、観測点ごとのP波、及びS波検出確率の最大値に基づいて地震検出傾向を示す「スコア」を定義し、地震検出を行う。地震、及びノイズを含む連続波形に適用した際にスコアの分布が地震・ノイズに二極化するという仮定を用いて、スコア算出に最適な観測点数、及び閾値を教師なし学習法(ラベル付データを必要としない)の枠組みで自動的に決定する。尚、P波、及びS波検出確率の評価には学習済み深層学習モデル(GPD)を用いる。実データへの応用として、首都圏地震観測網(MeSO-net)および長岡観測網(AN-net)から得られた波形データに適用した。1週間分の連続波形データを使ってパラメータを設定し地震検出を行ったところ、カタログに記載された地震だけでなく、未記載の地震も効果的に検出できることが示唆された。