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[SVC31-P09] 火山防災対応におけるドローンの活用と課題
キーワード:ドローン、火山災害、火山防災、火山観測、行政機関
昨今、ドローンは国内外の様々な災害・防災分野において、被害状況の確認、被災者の捜索、情報の収集、物資の運搬、被災者の救助などに用いられている。また、ドローンはヘリコプターなどの有人機に比べると、迅速な対応、離発着地点に広い場所が不要、詳細情報の取得、救援者のリスクの軽減、運用コストの削減、などのメリットがある。火山防災対応の分野においてもドローンは活用され始めている。例えば、2021年よりアイスランドのレイキャネス半島の火山噴火を監視する上でドローンは重要な役割を果たしている。またその汎用性の高さから、捜索救助、科学研究、ミッションマッピングなど、様々な目的でドローンが使用されている。一方、国内での火山防災対応におけるドローンの活用事例はまだ少ない。
2021年に富士山ハザードマップが約17年ぶりに改定され、2023年には富士山火山避難基本計画が公表された。これを受け、山梨県、静岡県、神奈川県内の各自治体では富士山噴火時の避難計画の策定が行われている。富士山は他の活火山と異なり、山頂と山腹を含む広範囲が想定火口範囲として設定されており、噴火直前あるいは噴火直後まで噴火口の位置の特定が困難な可能性がある。噴火災害に伴う人的被害を軽減するには、地球物理及び地球化学的な観測に基づく様々なアプローチを駆使して、火山活動の活発化を正確に且ついち早く捉えること、及び、火山防災対応の初動迅速化が必要である。
山梨県は2024年12月6日、7日に富士山噴火を想定した現地対策活動本部展開訓練および現地対応訓練を実施した。訓練において、我々はドローンを活用して次の情報収集を想定した試験を行った:1)山体表面における噴火の兆候の探索、2)噴火後の噴火口と噴出物の状況把握、3)住民の避難状況の確認。試験に用いたドローンは産業用マルチローター型ドローンのDJI Matrice 300 RTK。これに、広角カメラ、望遠カメラ、サーマルカメラが一体となったDJI Zenmuse H20Tを搭載して飛行させた。ドローンの空撮映像はWeb会議システムを通じて、災害対策本部、現地対策本部及び訓練に参加していた周辺市町村の役場に向けてリアルタイム配信された。
ドローン観測班は操縦者と補助者の2名で構成される。操縦者はドローンの操縦に専念し、補助者は周囲の安全監視とWeb会議の応答対応などを行った。富士山北麓、標高1,000 mに位置する富士山科学研究所の上空約140 mをホバリングしているドローンから空撮した場合、遠望カメラを用いると7~8 km先の対象物まで比較的はっきりと観察することができた。一方、サーマルカメラを用いると山体表面の温度違いが確認できた。これら現地で得られた視覚情報を、Web会議システムを通じて防災関係機関とリアルタイムに共有することにより、広域の想定火口範囲を有する富士山における火山防災対応の向上が期待される。一方、噴火後におけるドローン観測班の安全確保や、発災後におけるドローンの運用に係る法律の問題などの課題点も浮き彫りとなった。本発表は主に、これらの実動訓練を通じて見えてきた、火山防災対応におけるドローンの活用法とその課題点について紹介する。
2021年に富士山ハザードマップが約17年ぶりに改定され、2023年には富士山火山避難基本計画が公表された。これを受け、山梨県、静岡県、神奈川県内の各自治体では富士山噴火時の避難計画の策定が行われている。富士山は他の活火山と異なり、山頂と山腹を含む広範囲が想定火口範囲として設定されており、噴火直前あるいは噴火直後まで噴火口の位置の特定が困難な可能性がある。噴火災害に伴う人的被害を軽減するには、地球物理及び地球化学的な観測に基づく様々なアプローチを駆使して、火山活動の活発化を正確に且ついち早く捉えること、及び、火山防災対応の初動迅速化が必要である。
山梨県は2024年12月6日、7日に富士山噴火を想定した現地対策活動本部展開訓練および現地対応訓練を実施した。訓練において、我々はドローンを活用して次の情報収集を想定した試験を行った:1)山体表面における噴火の兆候の探索、2)噴火後の噴火口と噴出物の状況把握、3)住民の避難状況の確認。試験に用いたドローンは産業用マルチローター型ドローンのDJI Matrice 300 RTK。これに、広角カメラ、望遠カメラ、サーマルカメラが一体となったDJI Zenmuse H20Tを搭載して飛行させた。ドローンの空撮映像はWeb会議システムを通じて、災害対策本部、現地対策本部及び訓練に参加していた周辺市町村の役場に向けてリアルタイム配信された。
ドローン観測班は操縦者と補助者の2名で構成される。操縦者はドローンの操縦に専念し、補助者は周囲の安全監視とWeb会議の応答対応などを行った。富士山北麓、標高1,000 mに位置する富士山科学研究所の上空約140 mをホバリングしているドローンから空撮した場合、遠望カメラを用いると7~8 km先の対象物まで比較的はっきりと観察することができた。一方、サーマルカメラを用いると山体表面の温度違いが確認できた。これら現地で得られた視覚情報を、Web会議システムを通じて防災関係機関とリアルタイムに共有することにより、広域の想定火口範囲を有する富士山における火山防災対応の向上が期待される。一方、噴火後におけるドローン観測班の安全確保や、発災後におけるドローンの運用に係る法律の問題などの課題点も浮き彫りとなった。本発表は主に、これらの実動訓練を通じて見えてきた、火山防災対応におけるドローンの活用法とその課題点について紹介する。