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[SVC32-08] 阿蘇山中岳第一火口からの火山灰放出量と火山性微動振幅の関係
キーワード:火山性微動、火山灰噴出量、阿蘇火山、中岳第一火口
火山性微動はマグマや熱水の移動や振動によって励起されていると考えられている。阿蘇山では、地震観測が開始されて以降、さまざまな種類の火山性微動が発生していることがSassa(1935)により明らかにされている。そして近年では、火山性微動の振幅の増減が噴火警戒レベルの判定基準に使われるなど、火山性微動は阿蘇山の火山活動度の指標の一つとなっている。
一方、噴火に伴い火山性微動が発生する場合もある。井口(2013)やIguchi(2016)は、桜島の非爆発的噴火活動によって連続的に放出される火山灰の量と火山性微動の振幅に相関関係を見いだし、噴火微動を用いた火山灰放出量のモニタリング手法を提案した。阿蘇山の中岳第一火口では、2014年11月から2015年5月までと2019年7月から2020年6月までの間に、連続的なマグマ噴火が発生した。本研究では、これらのマグマ噴火時に観測された火山性微動の特徴を整理するとともに、阿蘇山にも噴火微動を用いた火山灰放出量のモニタリング手法を適用できるかを検討する。
井口(2013)は、桜島で観測された微動のパワースペクトルの1月毎の積算値と火山灰放出量の相関をさまざまな周波数帯で調べ、2-3Hzの周波数帯域での相関が最も良いことを示した。そしてIguchi(2016)は、2-3Hzの振幅スペクトルの1月毎の積算値と火山灰放出量とを線形式で近似した。そこで本研究でも2-3Hzの微動振幅の積算値と火山灰放出量の関係を検討する。阿蘇山での火山灰放出量は、Miyabuchi and Hara (2019)と宮縁・他(2025)の高頻度の火山灰採集により、日平均値として求められている。そこで本研究では、火山灰の平均放出量と採取と同じ期間の微動振幅積算値(2-3Hz)との関係を調べた。
求められた振幅積算値と火山灰放出量の関係には正の相関が見られたが、Iguchi(2016)のように、全期間を一つの線形式で近似した場合、計算された放出量と実際の放出量には大きな差があった。そこで、積算降灰量の傾きに応じて期間を分け、その期間ごとに近似する線形式を変えて全部で3つの式を用いた場合、計算された放出量は実際の放出量に近い値をとった。また、2014~2015年と2019~2020年の火山灰放出量はいずれも、同じ線形式の組み合わせで近似することができた。
このような線形式の変化が、微動発生源の現象とどのように対応しているかは現時点では不明であるが、2014年活動期の期間分けはIshii et al. (2023)によって示されたマグマヘッドの位置や火道の形状が変化する時期と対応していることから、これらの現象には微動の発生メカニズムを明らかにする上で、重要な情報が含まれている可能性がある。
一方、現時点では線形式のパラメーターを変更する時期を積算放出量の時間変化から決定しており、このままでは、火山灰放出量のモニタリングに微動振幅を用いることは困難である。空振の振幅など別の情報を用いて線形式を変更する時期を決定できるかどうかを検討することが今後の課題である。
一方、噴火に伴い火山性微動が発生する場合もある。井口(2013)やIguchi(2016)は、桜島の非爆発的噴火活動によって連続的に放出される火山灰の量と火山性微動の振幅に相関関係を見いだし、噴火微動を用いた火山灰放出量のモニタリング手法を提案した。阿蘇山の中岳第一火口では、2014年11月から2015年5月までと2019年7月から2020年6月までの間に、連続的なマグマ噴火が発生した。本研究では、これらのマグマ噴火時に観測された火山性微動の特徴を整理するとともに、阿蘇山にも噴火微動を用いた火山灰放出量のモニタリング手法を適用できるかを検討する。
井口(2013)は、桜島で観測された微動のパワースペクトルの1月毎の積算値と火山灰放出量の相関をさまざまな周波数帯で調べ、2-3Hzの周波数帯域での相関が最も良いことを示した。そしてIguchi(2016)は、2-3Hzの振幅スペクトルの1月毎の積算値と火山灰放出量とを線形式で近似した。そこで本研究でも2-3Hzの微動振幅の積算値と火山灰放出量の関係を検討する。阿蘇山での火山灰放出量は、Miyabuchi and Hara (2019)と宮縁・他(2025)の高頻度の火山灰採集により、日平均値として求められている。そこで本研究では、火山灰の平均放出量と採取と同じ期間の微動振幅積算値(2-3Hz)との関係を調べた。
求められた振幅積算値と火山灰放出量の関係には正の相関が見られたが、Iguchi(2016)のように、全期間を一つの線形式で近似した場合、計算された放出量と実際の放出量には大きな差があった。そこで、積算降灰量の傾きに応じて期間を分け、その期間ごとに近似する線形式を変えて全部で3つの式を用いた場合、計算された放出量は実際の放出量に近い値をとった。また、2014~2015年と2019~2020年の火山灰放出量はいずれも、同じ線形式の組み合わせで近似することができた。
このような線形式の変化が、微動発生源の現象とどのように対応しているかは現時点では不明であるが、2014年活動期の期間分けはIshii et al. (2023)によって示されたマグマヘッドの位置や火道の形状が変化する時期と対応していることから、これらの現象には微動の発生メカニズムを明らかにする上で、重要な情報が含まれている可能性がある。
一方、現時点では線形式のパラメーターを変更する時期を積算放出量の時間変化から決定しており、このままでは、火山灰放出量のモニタリングに微動振幅を用いることは困難である。空振の振幅など別の情報を用いて線形式を変更する時期を決定できるかどうかを検討することが今後の課題である。