日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC32] 活動的火山

2025年5月27日(火) 10:45 〜 12:15 コンベンションホール (CH-B) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:前田 裕太(名古屋大学)、三輪 学央(防災科学技術研究所)、松島 健(九州大学大学院理学研究院附属地震火山観測研究センター)、座長:福島 菜奈絵(東京大学先端科学技術研究センター)、田島 靖久(日本工営(株)中央研究所)

10:45 〜 11:00

[SVC32-16] 霧島火山,硫黄山周辺における2018年噴火後の熱水活動

*田島 靖久1石橋 純一郎2鈴木 桂子2松島 健3、宮本 知治3、島田 和彦3及川 純4村田 健史5 (1.日本工営(株)中央研究所、2.神戸大学海洋底探査センター、3.九州大学、4.東京大学地震研究所、5.情報通信研究機構)

キーワード:霧島火山、硫黄山、熱水活動、小イベント

霧島火山硫黄山では,2015年12月に噴気活動を再開し,その後2018年4月噴火に至ったが,その後も活発な地熱や熱水活動を行っている (Tajima et al., 2020).噴火後の活動時期では,2019年5月に硫黄山南火口での湯だまり消失,2021年7月の硫黄山西火口での活動停止が起こり,その頃を境に噴気,湯だまり活動に変化が生じた.また,2022年末から硫黄山南火口周辺では,5回の熱水,2回の溶融硫黄に起因すると考えられる小規模な噴出活動が発生した.これらの小噴出活動では,噴出の数ヶ月前から噴気孔Hの温度の低下が生じ,噴出直前には降雨が観測される場合もあった.2023年10月の溶融硫黄の噴出イベントは,噴出のタイミングから溶融硫黄が雨によって冷却されたことによって噴出が生じたと考えられる.またそれ以外の噴出イベントでは多くに石膏の晶出が見られ,石膏による閉塞が進行したため噴出が生じたと考えられる.これらの小噴出イベントでは,火口から岩塊が約20m,サージ堆積物が100mの範囲に拡がっていた.この様に,噴火後の活発な熱水活動中にも火口周辺に影響を及ぼす小イベントが生じることがあり,その予兆は噴気・湧水温度,化学組成変化に現れる場合がある.また,その予兆は必ずしも温度上昇のような活動の活発化を示唆するものではなく,噴気温度の低下の場合もある.地熱地帯でのイベント検出には,より緻密な観測と事例蓄積が必要となる.