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[SVC32-P24] GNSS観測データを用いた三宅島火山の地殻変動およびその圧力源の推定
キーワード:三宅島火山、有限球モデル、水平板状圧力源(sill)
これまで約20年周期で噴火を繰り返してきた三宅島は,前回2000年の噴火から24年以上が経過し,次の噴火が危惧されている.渡部ほか(2021 JpGU SVC28-P09)では,2011年から2019年に6回実施された稠密なGNSSキャンペーン観測の結果と三宅島島内の水準測量結果から,三宅島火口から南西約2.5 km,深さ9.0 kmの球状膨張圧力源と,三宅島火口直下・深さ海面下0.3 kmの水平板状シルの収縮が推定されている.本研究では,三宅島にある連続GNSS観測点およびGNSSキャンペーン観測点の座標値から最近の三宅島の地殻変動量を求めるとともに,地下の圧力源の推定を行う.現在三宅島では国土地理院(4 点), 気象庁(5点), 防災科学技術研究所(4 点)などによる連続GNSS観測が行われており,本研究ではこれらの常時観測データを用いた.また, これまで三宅島では2011, 2013, 2015, 2016, 2019年にGNSSキャンペーン観測が行われている中で, 2024年9月におよそ5年ぶりに九州大学を中心としてキャンペーン観測を実施し, 得られたデータを解析に使用した. データ使用期間は, 先行研究 (渡部, 他. 2021) で解析が行われた期間を含む 2013 年 1 月 1日~ 2024年 9月 30日とし, キャンペーン観測データについては2013 ~ 2024年に実施分のデータを使用した. 得られたデータについて, GNSSリアルタイム 後処理基線解析ソフトウェア RTKLIBver. 2.4.3 (Takasu, 2013)を用いて国土地理院のGEONET三宅4を基準に基線解析を行い, 30秒ごとに座標値を求めたのち, それを平均化することで各地点の座標を求めた. GEONET三宅4の基準座標値は, 国土地理院の日々の座標地(F5解)についてキャンペーン観測期間を含む8・9月の平均を取ることで求めた. その後, 座標値の差から変位ベクトル図を作成することで各期間の地殻変動量を求めた. 最後に,観測された変位を十分に説明できる三宅島地下の圧力源推定を行った.本研究における圧力源推定には, 浅部での有限の大きさを持つ圧力源の変化を比較的正確に推定できる地殻変動源推定ソフトウェア pydeform (Munekane et al.,2016) を用いた.
解析の結果,過去11年間でどの観測点においても基線長の伸びが確認され, 三宅島全体が島の中心部から放射状に変位していることが分かった.これらの地殻変動データをもとに圧力源の推定を行ったところ,球状圧力源および水平板状のシルが推定された. このモデルは,先行研究(渡部, 他. 2021 JpGU SVC28-P09)で推定された圧力源モデルと一致する結果となった.体積変化量については,球状圧力源で膨張が見られた.このことから,前回の2000年噴火以降,現在においても三宅島地下において継続的にマグマが供給されていることが分かった.
今後は水準測量データも使用してより詳しい地殻変動量をもとめ,さらに正確な地下圧力源モデルを推定する予定である.
謝辞:本研究では国土地理院, 気象庁, 防災科学技術研究所が観測したGNSS点データを防災科学技術研究所が解析した座標値をJVDNから提供していただいた.また, 2024年9月に行われた三宅島GNSSキャンペーン観測にて, 全国から50名を超える研究者の方にご協力をいただき, 観測点の設置を行った.
地殻変動源解析には,Munekane et al.(2016)が開発した pydeform を使わせていただいた.ここに記して感謝する.
解析の結果,過去11年間でどの観測点においても基線長の伸びが確認され, 三宅島全体が島の中心部から放射状に変位していることが分かった.これらの地殻変動データをもとに圧力源の推定を行ったところ,球状圧力源および水平板状のシルが推定された. このモデルは,先行研究(渡部, 他. 2021 JpGU SVC28-P09)で推定された圧力源モデルと一致する結果となった.体積変化量については,球状圧力源で膨張が見られた.このことから,前回の2000年噴火以降,現在においても三宅島地下において継続的にマグマが供給されていることが分かった.
今後は水準測量データも使用してより詳しい地殻変動量をもとめ,さらに正確な地下圧力源モデルを推定する予定である.
謝辞:本研究では国土地理院, 気象庁, 防災科学技術研究所が観測したGNSS点データを防災科学技術研究所が解析した座標値をJVDNから提供していただいた.また, 2024年9月に行われた三宅島GNSSキャンペーン観測にて, 全国から50名を超える研究者の方にご協力をいただき, 観測点の設置を行った.
地殻変動源解析には,Munekane et al.(2016)が開発した pydeform を使わせていただいた.ここに記して感謝する.