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[SVC32-P34] 火山ガスの化学組成を可視化し特徴を把握する試み
キーワード:火山ガス、化学組成、可視化、マグマー熱水系
序) 水蒸気噴火を起こすような火山において火山ガスを採取・分析する目的の一つは、火山ガスの化学組成および同位体比から火山体の下部に胚胎するマグマ熱水系に関する情報を抽出し、火山活動の評価に貢献することである。火山ガスは水蒸気を主成分とする気相一相からなる均一系であるが、起源の異なるガス成分を数多く含んでいるために、その化学組成の特徴を示す複数の指標が存在しており、化学組成の解釈は研究者の視点に依存する可能性がある。また指標が複数あるために、特定の指標だけ解釈し、残りの指標を解釈していない「もったいない」研究事例も散見される。このような状況を鑑み、火山ガスの化学組成を可視化し、火山ガス組成の特徴とマグマ熱水系の構造の関係を解釈可能とする図の作成を試みた。
結果)
x軸にガス成分の番号、y軸にガス成分比の対数を取る矩形図を設定した。ガス成分CH4, CO2, He, H2S, SO2, H2に対し、それぞれ、x軸の値として1, 2, 3, 4, 5, 6を割り当てた。各成分の火山ガス中におけるモル分率をXiとした。x=1~5までの成分については、Log(Xi/XCO2) – Log(Pi/PCO2)を計算し、y軸の値とした。ここで、Piは雲仙普賢岳の高温噴気の組成を参考にして設定した仮想的なマグマ性ガスのi成分のモル分率とする。X=6については、Log(XH2/H2O)(=RH)を計算し、y軸の値とした。
考察)
上述の矩形図において、火山ガスの組成は、x=1~6の点を直線で結ぶ曲線として表現される。マグマ性のガスは、当然のことながら、水平に近い曲線として表現される。
箱根山の火山ガス組成は採取地点により相違が見られた。SO2を多く含む大涌谷15-2噴気孔(c)のガスは、右下がりの曲線であり、x=6のRH値は、-6であり、Gas-Bufferで制御された酸化的な環境で生成していることが示された。15-2噴気孔に近い自然噴気孔(n)と500m以上離れた上湯場の自然噴気孔(s)で採取したガスは、x=4のSO2/CO2比がcよりも低く、キャップロックを通過した影響が見て取れる。キャップロックの影響は、x=1のCH4/CO2比がcよりも高いことからも支持される。
草津白根山の山頂北側斜面で採取された3つの噴気は、x=2から4にかけてほぼ水平で、x=4から6にかけて右下がりの曲線で表現された。特にx=6のRH値は、-7であり、Fluid-Bufferで制御された強く酸化的な環境で生成していることが示された。3つの噴気は高々500m程度の距離に分布しているにも拘わらず、x=1のCH4/CO2比に明確な相違が見られた。このことは、噴気に含まれているCH4が比較的浅い地下に起源することを示唆している。
えびの高原硫黄山で採取された放出圧の高い噴気(h)はx=1から5にかけてほぼ水平な曲線を示し、マグマ起源の特徴を示していた。噴気hから220mほど離れた放出圧の低い噴気(c)の曲線はhに比べてx=4, 5のH2S/CO2比とSO2/CO2比が低下しており、熱水系の関与が示唆された。二つの噴気のx=6のRHは共に、-4.5~-4.0の範囲にあり、Gas-Bufferで制御された酸化的な環境の形成が示唆された。
結果)
x軸にガス成分の番号、y軸にガス成分比の対数を取る矩形図を設定した。ガス成分CH4, CO2, He, H2S, SO2, H2に対し、それぞれ、x軸の値として1, 2, 3, 4, 5, 6を割り当てた。各成分の火山ガス中におけるモル分率をXiとした。x=1~5までの成分については、Log(Xi/XCO2) – Log(Pi/PCO2)を計算し、y軸の値とした。ここで、Piは雲仙普賢岳の高温噴気の組成を参考にして設定した仮想的なマグマ性ガスのi成分のモル分率とする。X=6については、Log(XH2/H2O)(=RH)を計算し、y軸の値とした。
考察)
上述の矩形図において、火山ガスの組成は、x=1~6の点を直線で結ぶ曲線として表現される。マグマ性のガスは、当然のことながら、水平に近い曲線として表現される。
箱根山の火山ガス組成は採取地点により相違が見られた。SO2を多く含む大涌谷15-2噴気孔(c)のガスは、右下がりの曲線であり、x=6のRH値は、-6であり、Gas-Bufferで制御された酸化的な環境で生成していることが示された。15-2噴気孔に近い自然噴気孔(n)と500m以上離れた上湯場の自然噴気孔(s)で採取したガスは、x=4のSO2/CO2比がcよりも低く、キャップロックを通過した影響が見て取れる。キャップロックの影響は、x=1のCH4/CO2比がcよりも高いことからも支持される。
草津白根山の山頂北側斜面で採取された3つの噴気は、x=2から4にかけてほぼ水平で、x=4から6にかけて右下がりの曲線で表現された。特にx=6のRH値は、-7であり、Fluid-Bufferで制御された強く酸化的な環境で生成していることが示された。3つの噴気は高々500m程度の距離に分布しているにも拘わらず、x=1のCH4/CO2比に明確な相違が見られた。このことは、噴気に含まれているCH4が比較的浅い地下に起源することを示唆している。
えびの高原硫黄山で採取された放出圧の高い噴気(h)はx=1から5にかけてほぼ水平な曲線を示し、マグマ起源の特徴を示していた。噴気hから220mほど離れた放出圧の低い噴気(c)の曲線はhに比べてx=4, 5のH2S/CO2比とSO2/CO2比が低下しており、熱水系の関与が示唆された。二つの噴気のx=6のRHは共に、-4.5~-4.0の範囲にあり、Gas-Bufferで制御された酸化的な環境の形成が示唆された。