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[SVC33-P09] 九州南部および中部における鬼界アカホヤ火山灰の分布

キーワード:カルデラ形成噴火、コイグニンブライト火山灰、鬼界アカホヤ火山灰
多くの大規模カルデラ形成噴火は,その絶頂期に流走距離が10–100 kmに達する大規模火砕流を噴出する.このような大規模火砕流を起源とする噴煙(co-PDC噴煙)から生じるコイグニンブライト火山灰は,単体で100 km3以上に達する噴出量を有することもあり,通常のプリニー式噴火堆積物よりも遥かに広い分布を示す.そのため,コイグニンブライト火山灰の運搬・堆積過程やその物理パラメータの制約は,大規模カルデラ形成噴火の全体像を捉える上で不可欠である.しかし,これらの基盤となる詳細な地質学的記載はこれまで十分になされてこなかった.本研究では,約7300年前に鬼界カルデラで発生した大規模カルデラ形成噴火(アカホヤ噴火)における大規模火砕流(幸屋火砕流)起源のコイグニンブライト火山灰であるアカホヤ火山灰に関して,給源近傍にあたる九州南部および中部での層厚・粒径分布と堆積構造を記載するとともに,その運搬・堆積過程に関する予察的考察を行った.
アカホヤ火山灰は,給源火砕流(幸屋火砕流)近傍の一部を除き,粗粒軽石や遊離結晶,火山豆石に富む基底部と,バブルウォール型ガラスに富む細粒火山灰からなる主部とで構成され、全体として顕著な正級化を示す.アカホヤ火山灰基底部の火山豆石は幸屋火砕流分布域で観察されることは少なく,その到達限界から5–10 km以遠において多く見られる傾向にあった.アカホヤ火山灰の層厚および粒径は大まかに東から東南東の方向に分布軸を有する.アカホヤ火山灰の層厚は鬼界カルデラからの距離に伴って単調に減少しておらず,特に霧島火山周辺から九州山地にかけては最大100㎝近くに達する層厚の顕著な局地的増大が見られた.一方,アカホヤ火山灰の基底部に存在する粗粒軽石および火山豆石の最大粒径は,鬼界カルデラからの距離に伴って単調に減少しており,その距離減衰パターンは傘型噴煙内の重力流によってテフラの運搬が駆動されたと考えられる大規模プリニー式・水蒸気プリニー式噴火と類似した傾向を示した.
これらの観察結果から,アカホヤ火山灰の運搬・堆積過程に関して次のような定性的モデルを考案した.アカホヤ火山灰をもたらしたco-PDC噴煙内において,終端速度の大きい粗粒軽石や火山豆石といった粗粒成分は傘型噴煙内の重力流によって運搬され,噴煙内の固体粒子の大部分を占める細粒火山灰に先行して堆積した.火山豆石は,co-PDC噴煙の上昇・拡大に伴い噴煙内で形成されたものである.一方,アカホヤ火山灰の主部を占める細粒火山灰は,長時間にわたって大気中に留まり,粗粒成分よりも長い時間をかけて堆積したと考えられる.霧島火山および九州山地にかけての地域で確認された層厚の増大は,局所的な気象条件等によって細粒火山灰の凝集が生じたためである可能性がある.
アカホヤ火山灰は,給源火砕流(幸屋火砕流)近傍の一部を除き,粗粒軽石や遊離結晶,火山豆石に富む基底部と,バブルウォール型ガラスに富む細粒火山灰からなる主部とで構成され、全体として顕著な正級化を示す.アカホヤ火山灰基底部の火山豆石は幸屋火砕流分布域で観察されることは少なく,その到達限界から5–10 km以遠において多く見られる傾向にあった.アカホヤ火山灰の層厚および粒径は大まかに東から東南東の方向に分布軸を有する.アカホヤ火山灰の層厚は鬼界カルデラからの距離に伴って単調に減少しておらず,特に霧島火山周辺から九州山地にかけては最大100㎝近くに達する層厚の顕著な局地的増大が見られた.一方,アカホヤ火山灰の基底部に存在する粗粒軽石および火山豆石の最大粒径は,鬼界カルデラからの距離に伴って単調に減少しており,その距離減衰パターンは傘型噴煙内の重力流によってテフラの運搬が駆動されたと考えられる大規模プリニー式・水蒸気プリニー式噴火と類似した傾向を示した.
これらの観察結果から,アカホヤ火山灰の運搬・堆積過程に関して次のような定性的モデルを考案した.アカホヤ火山灰をもたらしたco-PDC噴煙内において,終端速度の大きい粗粒軽石や火山豆石といった粗粒成分は傘型噴煙内の重力流によって運搬され,噴煙内の固体粒子の大部分を占める細粒火山灰に先行して堆積した.火山豆石は,co-PDC噴煙の上昇・拡大に伴い噴煙内で形成されたものである.一方,アカホヤ火山灰の主部を占める細粒火山灰は,長時間にわたって大気中に留まり,粗粒成分よりも長い時間をかけて堆積したと考えられる.霧島火山および九州山地にかけての地域で確認された層厚の増大は,局所的な気象条件等によって細粒火山灰の凝集が生じたためである可能性がある.