14:15 〜 14:30
[SVC35-03] 草津万代鉱周辺における比抵抗構造の変化
キーワード:草津温泉、万代鉱、比抵抗構造
草津温泉の主要源泉である万代鉱周辺では、2013年10月にAMT(Audio-frequency Magnetotellurics)調査が行われ、3次元比抵抗構造が推定されている(神田ほか, 2014)。その結果、熱水の存在域が低比抵抗領域でイメージングされ、下部の基盤岩から湧出源付近に向かって熱水が上昇してきていることが推測された。その後、2022年頃には万代鉱の湧出量が急激に減少したこと、また、万代鉱の約3.5 km西方にある本白根山では2018年に水蒸気噴火が発生していることから、万代鉱周辺の地下熱水系の状態が変化している可能性がある。そこで本研究では、最新の解析手法を用いた3次元比抵抗構造推定から熱水系の構造を明らかにすること、また10年前からの熱水系の状態変化を検討することを目的とし、万代鉱周辺におけるAMT調査を再度行った。
AMT調査は2023年5月8日から16日にかけて行った。観測点は、神田ほか(2014)でデータが取得された19点に加えて、新規観測点を5点設けた計24点であり、すべての観測点で電磁場5成分を測定した。また、ノイズの軽減を図るため、約4.5 km離れた湯釜東側でも観測期間中連続測定を行い、リモートリファレンス処理(Gamble et al., 1979)の参照データとして用いた。その結果、1~10,000 Hzの範囲で概ね良好なMT応答関数を推定することができた。
得られたMT応答関数を用いて3次元比抵抗構造解析を行った。解析コードはFEMTIC(Usui, 2015; Usui et al., 2017)を用い、地形を考慮した非構造化四面体メッシュを作成して使用した。インピーダンス全成分とTipperの18周波数(1~8,800 Hz)を入力データとして使用した。また、Matsunaga et al. (2022)で得られている周囲の広帯域MTデータも利用した。
解析の結果、坑口から約300, 600 m地点に熱水とみられる低比抵抗領域が確認できた。また、この熱水の供給源と推定される低比抵抗領域が標高約1000 mに広く存在していることが分かった。さらに、南北で尾根を形成している殺生溶岩は高比抵抗である一方、谷沿いに露出する青葉溶岩は比較的低比抵抗であった。よって、青葉溶岩は火山ガスや熱水による変質を受けていると解釈された。
10年前からの構造変化を検討するために、ミスフィットテンソル (Heise et al., 2007) を用いてAMTデータの比較を行った。現在までの解析では、数カ所の観測点の浅部で相対的に大きなミスフィットがあることが分かっている。今後はこのミスフィットについての具体的な解析やこれをもたらす構造変化について検討する予定である。
AMT調査は2023年5月8日から16日にかけて行った。観測点は、神田ほか(2014)でデータが取得された19点に加えて、新規観測点を5点設けた計24点であり、すべての観測点で電磁場5成分を測定した。また、ノイズの軽減を図るため、約4.5 km離れた湯釜東側でも観測期間中連続測定を行い、リモートリファレンス処理(Gamble et al., 1979)の参照データとして用いた。その結果、1~10,000 Hzの範囲で概ね良好なMT応答関数を推定することができた。
得られたMT応答関数を用いて3次元比抵抗構造解析を行った。解析コードはFEMTIC(Usui, 2015; Usui et al., 2017)を用い、地形を考慮した非構造化四面体メッシュを作成して使用した。インピーダンス全成分とTipperの18周波数(1~8,800 Hz)を入力データとして使用した。また、Matsunaga et al. (2022)で得られている周囲の広帯域MTデータも利用した。
解析の結果、坑口から約300, 600 m地点に熱水とみられる低比抵抗領域が確認できた。また、この熱水の供給源と推定される低比抵抗領域が標高約1000 mに広く存在していることが分かった。さらに、南北で尾根を形成している殺生溶岩は高比抵抗である一方、谷沿いに露出する青葉溶岩は比較的低比抵抗であった。よって、青葉溶岩は火山ガスや熱水による変質を受けていると解釈された。
10年前からの構造変化を検討するために、ミスフィットテンソル (Heise et al., 2007) を用いてAMTデータの比較を行った。現在までの解析では、数カ所の観測点の浅部で相対的に大きなミスフィットがあることが分かっている。今後はこのミスフィットについての具体的な解析やこれをもたらす構造変化について検討する予定である。