15:45 〜 16:00
[SVC35-07] 電気比抵抗と地震波速度の同時測定による亀裂浸透率推定モデルの構築
キーワード:P波速度トモグラフィー、断層、アスペリティ、浸透率、比抵抗
地下の断層は地殻流体の挙動を制御する上で重要な役割を果たしており,熱水系の形成とも深く関わっている。天然の地熱貯留層は主に不透水性の火成岩中の亀裂系で発達する。そのため,亀裂岩体の浸透率を理解し,モニタリングすることは,地熱資源の持続可能な開発にとって不可欠である。これまでの研究で,亀裂の浸透率は母岩よりも数桁高く,応力に依存することが示されている。フィールド観測では,熱水活動や地熱開発に伴う電気比抵抗や地震波速度の変化が観測されている。これらの特性は亀裂内の流体に敏感であるため,亀裂浸透率との相関関係が期待される。しかしながら,このような亀裂を持つ岩石の実験データが不足しているため,地下浸透率の定量的な解釈には至っていない。そこで本研究は,垂直応力下における浸透率・比抵抗・地震波速度を同時に測定する実験装置を構築し,それぞれの関係を評価した。
実験には花崗岩,斑れい岩,および粗さの異なる3Dプリンタ試料(60 mm x 60 mm x 30 mm)を用いた。一軸圧縮試験により最大50 MPaの垂直応力をかけながら,KCl水溶液(0.1 mol/L)を注入することで浸透率を測定した。電気比抵抗は,変形中のインピーダンスと位相の測定(LCRメーター)から計算した。さらに各応力において,P波・S波速度を複数の経路について測定した。試験中,応力増加に伴うP波速度の時空間変化を評価しながら,感圧紙を用いて亀裂面接触状態をイメージングした。
実験の結果,浸透率は最大3桁低下,電気比抵抗は最大2桁上昇,P波速度は最大0.3km/s上昇した。この応力レベル(50MPa)では,接触面積は最大60%に達した。マッピングされたP波速度の空間分布は,このように可視化された接触部と相関していた。また浸透率と比抵抗の関係を調べたところ,この関係は,地震波速度の変化がほぼ飽和する応力(~15MPa)において変化した。これらの結果は,電気比抵抗と地震波速度の同時モニタリングにより,亀裂の開口に伴う浸透率の変化を予測できる可能性を示唆している。
実験には花崗岩,斑れい岩,および粗さの異なる3Dプリンタ試料(60 mm x 60 mm x 30 mm)を用いた。一軸圧縮試験により最大50 MPaの垂直応力をかけながら,KCl水溶液(0.1 mol/L)を注入することで浸透率を測定した。電気比抵抗は,変形中のインピーダンスと位相の測定(LCRメーター)から計算した。さらに各応力において,P波・S波速度を複数の経路について測定した。試験中,応力増加に伴うP波速度の時空間変化を評価しながら,感圧紙を用いて亀裂面接触状態をイメージングした。
実験の結果,浸透率は最大3桁低下,電気比抵抗は最大2桁上昇,P波速度は最大0.3km/s上昇した。この応力レベル(50MPa)では,接触面積は最大60%に達した。マッピングされたP波速度の空間分布は,このように可視化された接触部と相関していた。また浸透率と比抵抗の関係を調べたところ,この関係は,地震波速度の変化がほぼ飽和する応力(~15MPa)において変化した。これらの結果は,電気比抵抗と地震波速度の同時モニタリングにより,亀裂の開口に伴う浸透率の変化を予測できる可能性を示唆している。