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[SVC35-P05] 九重火山及び周辺における地下水の希土類元素組成
キーワード:九重、火山、温泉、希土類
九重火山(くじゅう連山)は東西約13km,南北約10 kmの範囲に約20個の火山が存在している.火山体は,玄武岩質安山岩からデイサイトの小規模な成層火山や溶岩ドームの集合体から構成される.くじゅう連山は地形的に,西部,中部,東部に分けることができ,活動時期はおおよそ西部から東部に向かって新しくなる(川辺ほか,2015).九重火山下では高い熱流量が観測されており,マグマ溜りは溶融状態にないが,5kmの深さで400~700℃を維持している,と指摘されている(Ehara, 1992).火山性地震は中部の星生山周辺浅部,西部の黒岩山西方筋湯・大岳周辺の数km以深で発生している(気象庁,2013).また,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による超臨界地熱資源量評価(九重地域)が行われ,高密度MT探査により大岳方向の深度5kmから硫黄山方向深度1kmに達する低比抵抗体が検出され(Aizawa et al, 2022),反射法探査も合わせ,超臨界貯留層の存在が指摘されている(西島ほか,2024).更に,黒岩山での新しい年代の火山活動の形跡や,西部の八丁原地熱発電所孔井からマグマ由来成分の供給が指摘されており,主に西部と中部に関する深部熱水系モデルが出されている(西島ほか,2024).一方,マグマ溜りの各状態において放出される熱水流体の理論値と地下水試料の実データの対比から,西部~東部でマグマの種類や状態が異なることが分かり,西部と中部では珪長質マグマの固化と生成と解釈され,東部では,深さ10~31kmで発生する深部低周波地震と関連する苦鉄質マグマの活動も指摘されている(Kazahaya et al., 2024).そこで,本研究では,これまでに指摘されている北西-南東方向の違いに着目しつつ,九重地域における地下流体循環を把握することを目的とし,地下水(温泉水,湧水,河川水)の調査・採取,及び地球化学的分析を行った.その結果,特に,希土類元素組成について約50試料のデータが得られ,組成の多様性と空間分布が把握されつつある.本発表では,希土類元素組成の特徴とその空間分布について報告を行う.
本研究は、原子力規制庁「令和6年度火山活動及び火山モニタリング評価に係る調査・研究」として実施した.
本研究は、原子力規制庁「令和6年度火山活動及び火山モニタリング評価に係る調査・研究」として実施した.