日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC36] 海域火山

2025年5月28日(水) 13:45 〜 15:15 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、藤田 英輔(防災科学技術研究所 火山防災研究部門)、前野 深(東京大学地震研究所)、小野 重明(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、前野 深(東京大学地震研究所)

13:45 〜 14:00

[SVC36-01] Heat fluxによる火山性微動モデル:熱水系火山の中長期活動評価に向けて

★招待講演

*藤田 英輔1 (1.防災科学技術研究所 巨大地変災害研究領域 火山防災研究部門)

キーワード:熱供給、火山性微動、中長期評価

海域火山の活動において、火山体下の熱水系とマグマの相互関係が重要な要素となる。2000年三宅島噴火では噴火後数年にわたり地下浅部にマグマが滞留していたことや、近年の硫黄島の活動においては、有史以来初のマグマ噴火が発生するなど、地下浅部へのマグマの上昇があったことが明らかになっている。
火山における地震観測は特にロバストな観測手段であり、火山性地震や火山性微動の発生メカニズムの解釈が火山活動評価に重要な役割を果たす。三宅島や硫黄島では単色微動や、火山性微動が一定の間隔を置いて発生するbanded tremorが観測されることがある。Fujita (2008)およびFujita et al. (2011)では、Heat fluxをソースとする火山性微動モデルを提案している。このモデルは、水-水蒸気の二相流の不安定性による振動を二流体モデルにより定式化し、その特性方程式から振動の周期性を定量的に解釈ができるものである。2003~2005年に三宅島で発生しているbanded tremor(周期20~45分)はおよそ10MW程度の熱の供給により実現されていることが分かった。また、個々の微動は水の流れと水蒸気発生に伴う密度変化のずれによる密度波振動と解釈できる。この振動現象が発生するには、一定の熱量の範囲、すなわち下限(水蒸気が十分発生しうる熱量)と上限(それ以上熱量を加えると水蒸気が発生しすぎる)がある。火山性微動の発生をHeat fluxの量との対応で解釈が可能となる。これをもとに、海域をはじめとする熱水系火山における中長期(数年~数十年)評価のために、温度や地殻熱流量等の熱学的な連続観測を行うことを提案する。近年広まってきている光ファイバーを用いた観測(DAS)をボアホールで展開し、地震および温度観測を連続的に行い、その変動を把握することが指標となるであろう。