日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC36] 海域火山

2025年5月28日(水) 15:30 〜 17:00 104 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、藤田 英輔(防災科学技術研究所 火山防災研究部門)、前野 深(東京大学地震研究所)、小野 重明(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:小野 重明(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、藤田 英輔(防災科学技術研究所 火山防災研究部門)

16:15 〜 16:30

[SVC36-10] 浮遊軽石内部にはどのように水が入るか?-桜島大正軽石の例-

長尾 莉子1、*横山 正2竹内 晋吾3 (1.広島大学総合科学部、2.広島大学大学院先進理工系科学研究科、3.電力中央研究所)

キーワード:軽石、浮遊、空隙、 水

海に隣接した陸上火山(海域火山)でのプリニー式噴火では,噴出した軽石が漂流軽石現象を引き起こすことがある。軽石の浮遊挙動に関する既往研究により,体積が大きい軽石ほど長時間水に浮遊する傾向があることが指摘されている(Whitham and Sparks, 1986; Manville et al., 1998; Fauria et al., 2017)。しかし,体積が同等でも浮遊時間に違いが生じることも多く,何故そうなるのか,また,どのようなサイズや形状の空隙で水の進入や空気のトラップが生じやすいのかなどの点については研究の余地がある。本研究ではそれらの解明を目的とした。
 体積や空隙率が異なる5つの桜島大正噴火軽石をそれぞれ水に浮かべ,浮遊時間を記録した。また,各試料の全空隙率,開放空隙率(外界に開いた空隙),輸送空隙率(試料の両端をつなぐ空隙),行き止まり空隙率(開放空隙のうち輸送空隙以外のもの),孤立空隙率(外界に閉じた空隙)を求めた(区分はYokoyama and Takeuchi, 2009に基づく)。その結果,試料サイズと浮遊時間には相関が認められなかったが,全空隙率や行き止まり空隙率と浮遊時間には強い相関が見られた。さらに,軽石を水に浸してすぐの状態,3日経過後の状態,全ての空隙を水で満たした状態のそれぞれで,どの口径の空隙にどのくらいの量の水が入っているかを水押し出し法(Nishiyama et al., 2012)で測定し,各口径の空隙にどのような順序で水が入るかを調べた。その結果,(1)初期に水が流入する過程では口径が大きい空隙から先に水が入ること,(2)その後の残った空隙に水が入る過程では輸送空隙よりも行き止まり空隙に優先的に水が入ること,が明らかになった。