日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-VC 火山学

[S-VC36] 海域火山

2025年5月28日(水) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:田村 芳彦(海洋研究開発機構 海域地震火山部門)、藤田 英輔(防災科学技術研究所 火山防災研究部門)、前野 深(東京大学地震研究所)、小野 重明(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

17:15 〜 19:15

[SVC36-P05] 西之島の海底で噴出した溶岩の物性と空隙構造・噴出条件の関係

*赤松 祐哉1吉田 健太1佐藤 智紀1多田 訓子1 (1.海洋研究開発機構 海域地震火山部門)

キーワード:西之島、岩石物性、地震波速度、比抵抗

伊豆・小笠原弧に位置する西之島は2013年の噴火以降、その様式を変化させながら断続的な火山活動を継続している。火山活動に伴う山体内部の脱ガス、海水の浸透、および溶岩流発生時の物理条件を評価するためには、噴出した溶岩内部の空隙構造(気泡、亀裂)の把握が重要となる。Akamatsu et al. (2025, JVGR)は、西之島において過去に実施された上陸調査で採取された安山岩溶岩試料の包括的な物性測定を実施し、溶岩の空隙構造と物性の関係について主に以下の点を明らかにした:1. 空隙率に対する物性の変化傾向は岩相(多孔質、緻密、縞状)によって大きく異なり、それぞれに特有の空隙構造に関連付けられる。2. 縞状溶岩に含まれる空隙は扁平かつ連結度が高い傾向にあり、僅かな空隙率でも溶岩の比抵抗と地震波速度を大きく低下させる。3. 空隙形状のバリエーションは溶岩流動時のせん断変形や冷却速度を反映している可能性があり、物性および地球物理データから山体内部の構造および噴火条件を間接的に推定できる可能性がある。一方で、西之島の山体の大部分は海面下にあり、現在の山体内部の圧力状態や流体循環の様式、および過去の噴火活動によって噴出した溶岩の空隙構造を把握するためには、海底に噴出した溶岩試料の物性測定および微細組織との比較が必要不可欠である。本発表では、2022年に実施された研究航海(YK22-15)で採取された海底ドレッジ試料を用いて、溶岩サンプルの空隙率、密度、地震波速度を測定した結果について報告する。得られた結果を陸上で採取された西之島溶岩試料の結果と比較し、噴出時の海水の存在が溶岩の空隙構造と物性に与える影響について議論する。

謝辞:西之島海底からの試料採取に際し、YK22-15航海における「よこすか」の乗員および乗船研究者のご協力に感謝します。