日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

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[U-06] Open and FAIR Science: strategies,infrastructures, practices and communities

2025年5月26日(月) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:村山 泰啓(情報通信研究機構 NICTナレッジハブ)、Cecconi Baptiste(LESIA, Observatoire de Paris, CNRS, PSL Research University)、Stall Shelley(American Geophysical Union)、近藤 康久(総合地球環境学研究所)

17:15 〜 19:15

[U06-P06] 国立環境研究(NIES)における昨今のオープンアクセス政策への対応

*福田 陽子1白井 知子1八代 尚1山下 陽介1、尾鷲 瑞穂1照井 健志1 (1.国立環境研究所)

キーワード:オープンサイエンス、オープンデータ、デジタルオブジェクト識別子、研究データ管理計画

国立環境研究所(NIES)は、地球環境問題や生物多様性、化学物質による健康リスクや資源の循環といった幅広い環境研究に学際的かつ総合的に取り組む、我が国唯一の公的な研究所である。NIESはこれらの研究を行う研究実施部門と、研究活動を支える企画・支援部門の2つの部門で構成されている。環境情報部は企画・支援部門の1つとして、国民に対する環境情報の提供、NIESで行われた研究成果の発信、所内情報インフラの整備や図書室の運営を行っている。2023年10月の改組により研究実施部門のメンバーが加わり、環境情報や研究成果の公開の在り方について検討できる体制が強化された。NIESの研究により生産されるデータは幅広く、観測や数値計算で得られた比較的公開しやすいデータだけでなく、社会調査の結果やライフサイエンス分野の公開しにくいデータも含まれる。そのため、所のデータ公開の進展には分野により差がある。環境情報部は所全体に関わる研究データの管理・公開支援を実施しており、ここでは特に、昨今のオープンアクセス政策への対応について報告する。
研究データ公開支援として、NIESでは2016年から研究者の依頼に応じて、研究データへのDOI付与支援を行っている。環境情報部では、DOIの永続的なアクセスを維持できるよう、DOIのランディングページの作成・管理と、DOIの登録を行う作業を担っている。2022年からは所の刊行物や報告書、学術論文などの成果物を収集・保管・公開するため、機関リポジトリの運用を行っている。近年では、論文投稿後に学術出版社から根拠データの公開が求められたり、国の政策により、公的資金で生み出された学術論文等の即時オープンアクセスと、研究データの管理・利活用が求められている。これらの受け入れ先の1つとして機関リポジトリを活用するため、運用体制の強化や登録フローの再検討、運用指針の策定を進めている。
研究データの公開時にはメタデータの作成支援を行っている。機関リポジトリからデータ公開をする際には、メタデータ作成用のExcelシートを使用していた。このメタデータスキーマを拡張し、所内の研究実施部門で管理・運用されている独自のリポジトリからの公開や、DOI付与にも利用できるように更新した。このメタデータ項目には、オープンアクセス政策により要求されている“メタデータ共通項目”も含まれている。
研究データの公開場所の選択方法やDOI付与に関する手続きなど、研究者から問い合わせが多い質問については、解説のパンフレットを作成したりFAQにまとめるなど、情報提供を行っている。
最近では、研究助成機関から研究データ管理計画(DMP)の作成が求められるようになってきている。NIESでは、企画・支援部門の1つで主に外部資金を扱う連携推進部と協力して、研究者のDMPの作成支援を行っている。特に、環境情報部では、NIESで利用可能な研究データの管理・公開基盤に関する案内、情報セキュリティやデータポリシーなど研究データを扱うために遵守すべき方針やガイドライン、NIESにおけるDMPの記入例などを提供している。
NIESでは、オープンアクセス政策に対応し、研究者の負担を軽減するための支援を進めるとともに、オープンサイエンスのさらなる推進に向けた研究データの管理・公開基盤の開発を進める。