14:35 〜 14:55
[U11-03] 地震による土砂生産を考慮した能登半島豪雨の洪水氾濫シミュレーション
★招待講演
キーワード:斜面崩壊、土砂動態、洪水氾濫、地形変化
2024年1月1日に発生した能登半島地震は、能登半島内の河川流域に多数の斜面崩壊を生起させた。この生産土砂は、2024年9月21日の豪雨により、再移動し、下流部へ輸送された。例えば町野川支川の鈴屋川流域では、支川から流出した土砂が農地・市街地まで到達し氾濫を起こしている。流出・堆積した土砂が、河道および河道周辺の地形を変化させることで、氾濫領域や氾濫深さが変化した可能性がある。
上記のことを評価するため、本研究では、降雨の流出モデルと土砂の輸送モデルを組み合わせた土砂動態モデルであるDRSRISによるシミュレーションを、能登半島の町野川流域を対象に実行した。このシミュレーションは、地表面の土地利用を森林、都市、河道の3種類に分割し、水と土砂の輸送を解析するものである。水の輸送については、森林では、表面流と浸透流を考慮したDiffusive Wave法による降雨流出を、都市と河道では2次元浅水流方程式に基づく表面流解析を実行する。土砂輸送については、掃流砂と浮遊砂の輸送を考慮するものであり、都市域は初期地表面以下の侵食は生じない固定床として扱うものである。
本計算の対象領域は、町野川流域と南志見川流域全域を内包する長方形領域とし、空間解像度は5mとした。地震による土砂生産は、土砂の堆積深さとして空間分布を与えた。この情報は、地震前後のLPデータに基づくDEMの差分をもとに作成した。ただし、地震前後で、地盤自体が大きく変動しているため、本研究では、地震前の地表面点群を、マクロな地震前後の3方向の変動場データ(Fukushima et al., 2024)で補正することで、正確な差分データを作成した。生産土砂の粒径分布は、2024年11月13日に実施した現地調査で得た土砂サンプルを、篩分け試験した結果から与えた。降雨データはXRAINによる観測データを与えた。
計算の結果、二次元領域での堆積深さの空間分布を得た。合流点近傍で顕著な土砂の堆積が生じた牛尾川・寺地川では、豪雨前後のLPの差分データと比較しても、土砂の堆積深さや堆積領域が近しい結果となった。また、水位の計算結果を、地震による土砂生産を与えないケースと比較することで、地震による土砂生産がどの程度浸水深に影響を及ぼしたかを定量化した。また、水位に対する河床上昇の寄与率の空間分布も得ることができた。これらの情報は、当災害がどの程度地震と豪雨のマルチハザードと言えるかを評価する上で重要と考えられる。一方で、豪雨による斜面崩壊に伴う新規の土砂生産を考慮していないこと、天然ダムの決壊仮定を陽的に扱っていないことにより、鈴屋川流域下流部等では土砂の堆積量が過少に評価される結果となった。今後、これらの要素の追加によって計算結果の再現性を増加することができるかの検討を進める予定である。
上記のことを評価するため、本研究では、降雨の流出モデルと土砂の輸送モデルを組み合わせた土砂動態モデルであるDRSRISによるシミュレーションを、能登半島の町野川流域を対象に実行した。このシミュレーションは、地表面の土地利用を森林、都市、河道の3種類に分割し、水と土砂の輸送を解析するものである。水の輸送については、森林では、表面流と浸透流を考慮したDiffusive Wave法による降雨流出を、都市と河道では2次元浅水流方程式に基づく表面流解析を実行する。土砂輸送については、掃流砂と浮遊砂の輸送を考慮するものであり、都市域は初期地表面以下の侵食は生じない固定床として扱うものである。
本計算の対象領域は、町野川流域と南志見川流域全域を内包する長方形領域とし、空間解像度は5mとした。地震による土砂生産は、土砂の堆積深さとして空間分布を与えた。この情報は、地震前後のLPデータに基づくDEMの差分をもとに作成した。ただし、地震前後で、地盤自体が大きく変動しているため、本研究では、地震前の地表面点群を、マクロな地震前後の3方向の変動場データ(Fukushima et al., 2024)で補正することで、正確な差分データを作成した。生産土砂の粒径分布は、2024年11月13日に実施した現地調査で得た土砂サンプルを、篩分け試験した結果から与えた。降雨データはXRAINによる観測データを与えた。
計算の結果、二次元領域での堆積深さの空間分布を得た。合流点近傍で顕著な土砂の堆積が生じた牛尾川・寺地川では、豪雨前後のLPの差分データと比較しても、土砂の堆積深さや堆積領域が近しい結果となった。また、水位の計算結果を、地震による土砂生産を与えないケースと比較することで、地震による土砂生産がどの程度浸水深に影響を及ぼしたかを定量化した。また、水位に対する河床上昇の寄与率の空間分布も得ることができた。これらの情報は、当災害がどの程度地震と豪雨のマルチハザードと言えるかを評価する上で重要と考えられる。一方で、豪雨による斜面崩壊に伴う新規の土砂生産を考慮していないこと、天然ダムの決壊仮定を陽的に扱っていないことにより、鈴屋川流域下流部等では土砂の堆積量が過少に評価される結果となった。今後、これらの要素の追加によって計算結果の再現性を増加することができるかの検討を進める予定である。