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[AAS09-07] 2021年6月の熱波は統計的にも顕著な熱波であり、その初期・前半期(6/25~6/27)に大気の川を伴っていた。先行研究では、大気の川の水蒸気が熱波に影響することが示唆されるような定性的な結果が明らかにされているが、その定量化や具体的な影響のメカニズムは明らかにされていない。そこで本研究では、2021年6月の北米の熱波に対する大気の川の影響を、全球雲解像モデルであるNICAMを用いて、水蒸気の放射効果の感度実験により定量的に明らかにし、その大気循環場への影響を含めて議論することを目指す。本研究では、通常の設定で数値実験を行うctl実験と、NICAMの放射スキーム内のみを変更して数値実験を行うw/o ARGH実験を行い、その比較により議論を行う。その結果、地表2m気温が熱波発生前から熱波発生時の対象領域平均の差のほぼ1割に当たる差が出て、その大部分が水蒸気の温室効果によるものと分かった。さらに、大気循環場の比較解析から、6/28において、大気の川にともなう水蒸気の放射効果が熱波領域周囲の高気圧性循環場を強化に寄与し、その下流域でのジェットの南下に寄与したことが明らかになった。
キーワード:大気の川、熱波、温室効果