JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EJ] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC37] [EJ] アイスコアと古環境変動

2017年5月23日(火) 15:30 〜 17:00 A08 (東京ベイ幕張ホール)

コンビーナ:川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)、竹内 望(千葉大学)、阿部 彩子(東京大学大気海洋研究所)、座長:對馬 あかね(総合地球環境学研究所)

15:45 〜 16:00

[ACC37-12] 東南極氷床「ドームふじ」頂部位置の氷期・間氷期の変遷に応じた移動について

*藤田 秀二1,2福井 幸太郎3本山 秀明1,2中澤 文男1,2 (1.大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立極地研究所、2.総合研究大学院大学 複合科学研究科 極域科学専攻、3.立山砂防カルデラ博物館)

キーワード:南極、氷床、アイスコア

南極ドームふじ近傍は、Oldest Ice (100万年を上回る年代をもつ最古のアイスコア)の掘削候補地として着目されている地域である。日本の南極観測では、1980年代からこの近傍のアイスコア研究と雪氷環境研究にダーゲットをしぼった観測研究をおこない、1990年代と2000年代にわたり2本の深層アイスコアを取得した。将来に掘削を計画するOldest Iceの掘削候補地の同定には、氷床表面環境、内部環境、底面環境の入念な観測とデータの検討が必要である。私達は、これまでこの地域で日本が実施してきた観測データをまとめ、氷床内部層の3次元構造の分析をすすめている。その結果、氷床内部に蓄積された歪みのパターンは、現在のドームふじの南方に過去のドームがあることを示唆した。さらに、最終氷期のLGM以降に堆積した雪の量は、強い南北勾配をもち、北方すなわち海側ほど堆積が多いことがわかった。最終氷期の当年代面を氷床表面とした地形図を作成すると、氷期の氷床ドームは現在のドームふじの南方約60kmの、氷下に山塊のある地域に出現した。研究発表ではデータ分析の最新状況を示す。