[A-CG46] [EE] 衛星による地球環境観測

[ACG46-P15] GCOM-W AMSR2 標準プロダクト及び研究プロダクトの開発状況

*小野 温¹、可知 美佐子¹、前田 崇¹、筒井 浩行¹、関 三恵子²、野牧 知之² (1.国立研究開発法人　宇宙航空研究開発機構、2.一般財団法人 リモートセンシング技術センター)

キーワード：衛星リモートセンシング、水循環変動監視、マイクロ波放射計

宇宙航空研究開発機構（JAXA）は、2012年5月に打ち上げられた水循環変動観測衛星（以下、GCOM-W） の運用を行っている。GCOM-Wは、高性能マイクロ波放射計2（以下、AMSR2）を搭載している。このミッションでは、8つの地球物理量（積算水蒸気量、雲水量、降水量、海面水温、海上風速、海氷密接度、積雪深、土壌水分量）が標準プロダクトとして定義され、2013年5月から一般利用者に提供されている。また、将来の標準プロダクトの候補として、研究プロダクトが2015年5月に定義された。4つの標準プロダクトについて、2017年3月に海面水温、海上風速、海氷密接度、土壌水分のアルゴリズムを最新バージョンに更新する予定である。最新バージョンを地上観測又は他の衛星データを使って検証した結果、精度が向上した。例えば、海面水温については、以前のバージョンから海上風補正手法の変更や検証不適ブイの除去の強化等を行い、AMSR2による海面水温とアメリカ海洋大気庁（NOAA）が提供するブイの海面水温との差の平均二乗誤差（以下、RMSE）を全球1ヶ月の平均で算出した。検証期間は、2012年7月から2016年6月とした。その結果、RMSEについて、以前のバージョンでは0.56 ℃だったが、最新バージョンでは0.52 ℃となり、精度が向上した。また、研究プロダクトについても、既に一般公開されている10GHz海面水温、全天候海上風速アルゴリズムを更新し、精度が向上したことを確認した。本稿では、GCOM-W AMSR2の標準プロダクト及び研究プロダクトの最新バージョンについて発表する。