JpGU-AGU Joint Meeting 2017

講演情報

[EE] 口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-HW 水文・陸水・地下水学・水環境

[A-HW32] [EE] Biodiversity, nutrients and other materials in ecosystems from headwaters to coasts

2017年5月21日(日) 13:45 〜 15:15 201B (国際会議場 2F)

コンビーナ:奥田 昇(総合地球環境学研究所)、小野寺 真一(広島大学大学院総合科学研究科)、池谷 透(総合地球環境学研究所)、Adina Paytan(University of California Santa Cruz)、座長:奥田 昇(総合地球環境学研究所)

14:45 〜 15:00

[AHW32-23] 亜寒帯深湖の熱環境と気候変動への応答:不凍化がもたらす生態系への影響評価

*知北 和久1大八木 英夫2山根 志織6相山 忠男3板谷 利久4岡田 操5 (1.北海道大学大学院理学研究院地球惑星科学部門、2.日本大学文理学部、3.(株)福田水文センター、4.(株)シン技術コンサルタント、5.(株)水工リサーチ、6.北海道大学理学部地球惑星科学科)

キーワード:non-freezing, heat storage change, climate change, deep lake

ケッペンの気候区分によると,北海道は亜寒帯の南限に位置するが,存在する湖沼は2回循環の温帯湖に属する.この研究では,北海道の深湖である倶多楽湖(くったらこ)を例とし,最近の同湖の不凍化現象に着目して結氷・未結氷の熱的な臨界条件を決定し,併せて,将来の永年不凍化がもたらす生態系への影響評価を定量的に考える(Fig. 1).ここでは,3年余の水温データ・水文気象データから,倶多楽湖の貯熱量変化の経年変動を得た.結果として,冬季の累積貯熱量変化が-500 W/m2以上であれば,倶多楽湖は完全結氷しないことがわかった.また,同貯熱量変化の気象要素に対する感度解析から,この湖は約20年後には永年不凍湖になると判断された.